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広島県議会質問履歴
2003年 (平成15年12月 定例会)
会期 平成15年12月定例会
日程 2003/12/11
質問番号 1-1
タイトル 県出資法人の見直しについて
県の出資法人の見直しについては、懇話会での議論の後、平成11年2月に見直し計画が策定され、改革のスタートが切られた。 しかし、これまでに具体的に、きちんと実績、成果と言えるものが上がっていないと私は感じている。 主な県出資法人として、財団法人広島県産業振興公社及び財団法人広島県農業開発公社を見てみると、それぞれ類似の他の県出資法人と統合が行われている。しかし、統合してくっつけただけで、中身は何も変わっていない。県出資法人の問題点は、時代が変わっているにもかかわらず、旧態依然とした業務を延々と行っていることであった。延々とやってきた業務が必要なのか、必要でないのか議論し、業務の転換や廃止、及びそれに伴う組織の再編が改革の核心であったはずなのに、単に他の出資法人と統合しただけで中身は何も変わらないまま済ませている。温存された多くの業務を行うこの出資法人は、いわば第二県庁とも言うべき存在となっており、本来の改革は行われていないのである。 財団法人広島県建設技術センターは、新たな発想で業務を企画していくことになっていたのに、全然やっていない。広島県福祉事業団は、施設の地元移管や民間委託、広島県教育事業団については、ほとんどの業務の民間委託、これらが全く進んでいない。いずれも若干の職員の削減でお茶を濁し、従来の内容と大きく変わっているものは何もない。主なところが、こんな状態であるから、60余りの県出資法人の改革については、当初の改革目的のとおりではない。 この5つの法人をはじめ、本当の改革は行われていないと思うが、県出資法人の見直しについて、どのように認識し、今後、どうするつもりなのか伺う。
答弁者:知事 県出資法人につきましては,平成11年2月に「見直し計画」を策定し,これまで ・法人機能の再検討 ・自立的効率的な運営の促進 ・公的支援の見直し ・情報公開の促進の4つを柱とする取組みを進めて参りました。 その中で,御指摘の建設技術センターにつきましては,これまでの設計積算業務中心の事業内容を見直して,今年度から設計・施工・監理の一括受注を試験的に開始するなど,新たな取組みを始めたところでございます。 また,福祉事業団につきましては,特別養護老人ホームの地元移管や業務の外部委託などを進めて参りました。 産業振興公社も,農業開発公社,教育事業団につきましても,他の類似の県出資法人などと統合を行った上で,可能な限り業務の集約化や効率化を図るとともに,職員の削減に努めてきたところでございます。 これらを含めて,現在までに出資法人の2割近い12法人を統廃合したほか,県派遣職員の約3割にあたる84名を削減するなど,見直しを着実に進めてきたところでございます。 しかしながら,途半ばであることも事実であり,出資法人見直しの継続した取組みがまだまだ必要であると考えております。 このため,分権改革推進審議会の御議論もいただきながら,来年度に策定する新たな「行政システム改革推進計画」の中で,分権改革や財政健全化,指定管理者制度の導入などの新たな視点も加え,出資法人の役割や事業内容について更なる見直しを進めて参りたいと考えております。
会期 平成15年12月定例会
日程 2003/12/11
質問番号 1-2
タイトル 本庁組織のフラット化について
2年前、平成13年4月から、県本庁組織のフラット化が実施されている。問題は、組織のフラット化かきちんと機能し、その目的、ねらいどおりの成果が出ているかということである。 フラット化の目的は、第一に、より迅速な事務処理と意思決定であり、第二に、権限の明確化による職員の総戦力化、第三に、社会経済情勢により迅速に対応することであった。 しかし、フラット化により小さい単位の室に分割したため、縦割り行政の弊害である、案件のたらい回しとか、部局や総室をまたがる案件の調整に対応するため、総室長が各室の状況を把握し、調整等の対応をされていると思うが、このため実際にも、室長は総室長に逐次報告をする場面が多くなり、報告がだんだんと相談になり、伺いになり、結局のところ、室長は従来の課長補佐のような役割になって、意思決定の迅速化は進まず、また、一職一級の趣旨から逸脱するような結果になっていると聞いている。 さらに、係長職を廃止してグループリーダーという機能を設置したが、その職務権限があいまい不明確なままで、職場の規律が乱れ、また、職員の意欲の低下を招いているという声も聞かれる。 本庁組織のフラット化について、所期の目的はどの程度達成しているのか、課題についてはどう考えているのか伺う。
答弁者:総務企画部長 本庁組織のフラット化につきましては,実施後3年目でありますが,「意思決定の迅速化」や「職員の総戦力化」という当初の目的について,一定の成果は上がっているものと考えております。一方で, ・ 組織を細分化したことによりまして,一部で縦割りの弊害が生じていること ・ 県民に分かりにくい室の名称があること ・ フラット化組織を機能させていくための職員の意識改革が必要であることなどの課題が残っているというふうに考えております。 このため,これまでも必要に応じまして,室の統合や組織の名称変更を行いますとともに,職員研修の充実など職員の意識改革に努めてきたところでございます。 今後とも,組織面での見直しや,職員の意識改革を進め,フラット化組織がさらに機動的,かつ,効果的に機能するよう引き続き努力して参りたいと考えております。
会期 平成15年12月定例会
日程 2003/12/11
質問番号 1-3-ア
タイトル 一職一級制度における8級運用について
平成13年4月から、本庁組織のフラット化と併せて「誰でも8級」問題を是正するため、一職一級制度が導入された。 本年4月1日現在、行政職給料表を適用している職員は7,521人であるが、このうち、本庁室長に相当する8級以上の職員は1,528人となっており、実に、全体の2割以上の職員が室長以上の管理職ということになる。こんなことは民間の会社では見られない状況である。 そこでよく調べてみると、管理職でない8級の職が増えている。室長の下の事業調整監も8級、調整監も8級、専任主査といった職も8級なのである。これは外見上、見た目は一歳一級であるが、制度の趣旨を大きく損なう逸脱した運用であり、許すことのできないものである。今回の職員の給料カットにおいて、管理職である8級職員、室長は5%カットされるのに対し、同じ8級なのに管理職でない8級職員は3%カットとなるのはなぜなのか。 このことは、管理職である職と、管理職でない職を同じ8級としている今の運用が矛盾していることを明かに示している。 次に、同様に、本年4月1日現在の7級の職員を年齢別に見ると、52歳が1 4 6入であるのに対し、53歳は74入、54歳は39人、55歳は25人、56歳は9人、57歳はわずか2人となっており、年齢とともに大幅に少なくなっている。このことは、やはり誰でも8級に上がっていることを示しているように思うのである。「誰でも8級」の是正は、7級で止まる人が相当数でる予定だったはずである。 さらに、地域事務所を平成13年度に創設した際、地域事務所に総務局をつくった。そして、例えば職員組合との調整は総務局の仕事とされて、総務局に8級の職ができた。しかし、実際には、職員組合対応は地域事務所の各事業局が中心に行っており、事業局の組合対応は以前と変わってはおらず、総務局はほとんど何もしていない。総務局には仕事がない。このことは、誰でも8級になれるように、8級のポストをつくるために総務局をつくったと指摘されても仕方がないと言わざるを得ない。以上のように、よく調べてみると、形を変えて、誰でも8級になれる仕組みが生き残っており、この間の改革はごまかしである。そこで、「誰でも8級」問題は、なぜ是正できないのか、今後の対応を含めて伺う。
答弁者:総務企画部長 職員の任用につきましては,職務給の原則を徹底し,職務の困難性と責任に応じた給与・任用制度とするため,平成12年度から「一職一級」制度を導入したところでございます。 この「一職一級」制度の導入により,一般行政職員全体に占めます8級職員の割合は,平成11年度の18%から、平成15年度は16%と低下をいたしております。 しかしながら,国や他県の状況と比べ,依然として8級職員の割合は高い水準にありますことから,今後は,「一職一級」制度の趣旨に沿った,より厳正な任用を行うことで,当面は,8級在職者数が全国平均であります14%程度となるよう努力して参ります。
会期 平成15年12月定例会
日程 2003/12/11
質問番号 1-3-イ
タイトル 昇給延伸の復元と給与のカットについて
新たな行政改革の検討作業が行われていた平成10年11月、当時の我が自民党議員団は、県行政は大胆な改革をしなければ持続できないという強い危機感のもと、実効ある行財政改革の推進と県民の共感と信頼が得られる県政の確立を願って、知事に対して「給与改定に間する緊急提言」を行った。 この提言では、2年間の議員報酬5%カットをまず提案した上で、同様に三役の給料の5%カット、2年間の定期昇給の停止、「誰でも8級」問題の改革などを求め、その結果、12ケ月昇給延伸措置が決定されたのである。 誰でも8級問題で、同じ職場の中で上司と部下との給料が逆転する場合もあり、責任ある立場に立たなくても給料は上がるので、課長にはなりたくないというように、職員の意欲を阻害していた。これを改善して、意欲をもって働ける県庁にしないといけないということで、財政が厳しい状況であるから、若い人の給与をより下げることによって格差をつけることのできる昇給延伸措置を行い、そして、それは復元しないことになっていたのである。 さて、改革は所期の目的を達成していない。それにもかかわらず、昇給延伸の復元をして、給料のカットを行う。給料のカット率は、3%、5%、7%で、その割合は上に行くほど高い割合になっている。これは一体どういうことか。昇給延伸という形で給料の格差をわざわざつけたのに、それを元に戻して、さらに、給料カットで格差を逆に縮小しようとしている。このことは、私には理解ができない。「誰でも8級」が残っているにもかかわらず、給料の格差を縮小させ、再び、意欲を持って働くことを阻害することをやろうとしている。 また、給料のカットは3年間の時限措置であり、その点では3年後にはカットがなくなり、財政再建の中途でラスパイレス指数が大幅に上がり、人件費が増大することになる。これは、5年前の我々の提言を覆すことでもあり、容認することはできない訳である。 今回の昇給延伸の復元、給料のカットについて、どういうことなのか伺う。
答弁者:総務企画部長 平成11年度に実施しました昇給延仲措置は,当時の厳しい財政状況や民間の景気動向などを総合的に勘案して,緊急かつ臨時的な財源対策として実施したものでございます。 しかしながら,制度導入から5年が経過しまして,職員間の不均衡が生じるなどの給与制度上の課題もあり,人事委員会からも速やかに復元措置を講じるよう要請されていたところでございます。 この度の財政健全化に向けた具体化方策を実施する中で,新たな給与の削減措置を行うにあたりましては,こうした点を踏まえ,昇給延伸措置を復元した上で新たな抑制策に切りかえることとしたものでございます。 このことによりまして,職員給与の全国水準は40位を下回る厳しい内容となりますが,この新たな抑制策の実施によりまして,県財政の早期健全化に職員と一体となって取り組んで参りたいと考えております。
会期 平成15年12月定例会
日程 2003/12/11
質問番号 1-3-エ
タイトル 県職員の活性化について
県職員のやる気を喚起し、活力を維持・向上させるためには、私は、役職に応じて、格差のある給与体系が、まず最初に必要であると思う。働く意欲を持続させ、より上を目指して努力するに値する給与体系が、まず根本に必要である。 そして、次に、その給与体系に職員を任用していくシステムが必要である。毎日の努力の積み重ねが結果となり、結果の積み重ねが実績となり、実績の積み重ねが能力として評価され、その能力に基づいて役職に任用されるシステム、それが必要であると私は考えている。 人事委員会の報告では、職員の能力・実績等を適正に評価し、その結果が適切に反映できる新たなシステムの構築を推進する必要があるとしているが、まず必要なのは、役職に応じた格差を持った給与体系であり、その次に能力のみに基づく任用制度であると思う。 高い倍率の採用試験を突破した職員は、もともと優秀で良質な職員であり、その資質をより生かすためには、他にも重要な方策がある。まず、現在停止されている、優秀な勤務実績のある職員に対する特別昇給制度をすぐにでも復活させるべきである。また、職員から様々なアイディアを募り、施策に反映させる職員提案の仕組みも必要である。県と市町村の垣根を越えた人事異動をすること、職員研修においても本格的な幹部養成コースを設けるとか、若手職員を数年間海外に派遣するとか、思いきった人材育成を行うべきである。 県職員の活性化に向けて改革をすべきと思うが、所見を伺う。
答弁者:知事 行財政改革を進める中で,選択と集中による効率的な事業執行を図るためには,個々の職員が意欲を持って,主体的に仕事に取り組んで行くということが,大変重要と考えております。 このため,職員の意欲と能力を引き出し,組織の総合力と生産性を高めることを基本目標とした 「広島県人材育成基本方針」を平成14年3月に策定し,その推進を図っているところでございます。 具体的には,職員の自己啓発意欲に応える研修制度の充実,職員の海外派遣研修の導入など,順次,取組みを進めているところでございます。 また,能力や実績を重視した新たな人事評価制度の充実を図っていく中で,評価を職員の任用にもつなげる仕組みを検討して参ります。 今後とも,職員のやる気を喚起するため,職員の活性化に向けた更なる取組みを進めて参りたいと考えております。
会期 平成15年12月定例会
日程 2003/12/11
質問番号 2
タイトル 今後の財政運営について
12月9日の本会議で、我が会派の砂原議員が、今日の財政状況の原因とそれを踏まえた対策について質問した。 知事は、これに対して、「かつて経験のないマイナス成長となったことなどを反映して県税収入が大幅に減少し、それを補うべき地方交付税が増加しなかったこと」を原因として上げられた。また、今後の対応について、知事は、「3年間の集中対策期間において、すべての分野における抜本的な歳出削減を実施する」と答弁された。 この答弁には、財政健全化に失敗した反省というものが全く感じられない。県も県議会も、現在の中期財政運営方針に基づき、平成12年度から4年間取組みを進めてきたが、その結果は、残念ながら今日の危機的財政状況であり、これは対応を誤った、対応に失敗したということである。 この失敗の次の対応はというと、すべての分野における抜本的な歳出削減。これでは、4年前の対応と同じである。失敗した経験が何も生かされていない。仮に、これまでと同様に、県税収入がさらに落ち込むようなことがあれば、また同じ失敗となる。そのことを砂原議員は「無為無策」という言葉で言われたし、私も、それでは「ジリ貧」になる可能性大だと思うのである。 我が会派が緊急要望し、砂原議員が提案したが、集中投資期間を設けて積極的な施策展開をすべきという理由はそこにある。失敗したのだから、対応を変えなくてはいけない。あたり前のことを言っている。 今回の失敗を踏まえ、本県の活力を取り戻すこと、税収の回復にもつながる積極的な施策展開を、勇気と決意を持って知事は決断すべきである。知事の決意を改めて伺う。
答弁者:知事 本県の財政状況は,近年の経済成長がかつて経験したことのないマイナス成長となったことなどを反映して,法人2税などの県税収入が大幅に見込みを下回ったことなどにより,このまま行財政改革を実施しなければ,平成17年度には予算編成が不可能になるという危機的な状況に立ち至っております。 結果として,このような状況になったことは,重く受け止めております。 このような危機的状況を踏まえ,県としては,財政健全化の具体化方策を策定し,今後3年間の集中対策期間において,持続可能な財政基盤を構築すべく,すべての分野における抜本的な歳出削減を早期から計画的かつ着実に行うことにより,責任を持って,県財政の早期健全化に取り組むこととしたところであります。 このような取組みを行う中でも,「元気な広島県」の実現は,同時に,また,並行して取り組まなければいけない課題であると認識しております。 とりわけ,本県の活力を生み出す施策,中でも,新規成長産業の育成や意欲ある企業の取組支援などの産業施策は,現在検討しております第4期実施計画においても,重点5分野の一つとして,集中的に取り組む必要があると考えております。 平成16年度からの3年間の集中対策期間における抜本的な行財政改革に取り組む中でも,一層の施策の選択と集中を徹底し,県政中期ビジョンが描く「元気な広島県」の実現に向けて,「産業再生」など,県内経済の活性化や雇用機会の確保対策などの諸施策に重点的に取り組んで参ります。
会期 平成15年12月定例会
日程 2003/12/11
質問番号 10
タイトル 人事委員会の勧告及び人事委員会の責務について
去る10月、「職員の給与等に関する報告及び勧告」が人事委員会から出された。 今次定例会に提案されている昇給延伸措置の復元については、この人事委員会報告がもとになっている。 その理由として、昇給延伸措置は昇給率の高い若手・中堅職員により重い負担を強いることから、職員の給与配分の不均衡を生じさせるなど非常に大きな問題点を有するものとしている。しかし、職員が意欲を持って働くことができるように、「誰でも8級」問題を是正することとし、また、若年者と幹部職員の給料の格差を広げる意義を持つ昇給延仲があったのである。 したがって、若手・中堅職員により重い負担となっていることは、結果として意味のあることであるし、職員の給与配分の不均衡を生じさせるとの指摘については、そもそも給与の配分、山分け、という考え方が理解できないし、それが不均衡を生じるのは当たり前であって、何か問題なのか。私は、人事委員会の報告には矛盾を感じている。 また、「誰でも8級」問題が生き残っている問題、管理職でない8級職を設けていることについて、人事委員会はなぜ是正を勧告しないのか不思議でならない。 本県では、ずっと以前から、職員が退職する際に、退職金の基礎となる給料を昇給させることになっており、現在でも退職時に2号給上がることになっている。そんなことは、民間企業では考えられないことである。この問題について、人事委員会は廃止の勧告をなぜしないのか。同様に、職員の採用時の初任給短縮措置についても、なぜ廃止を勧告しないのか。 これでは、必要な勧告、報告をせずに、不必要な勧告、報告をしていると、私は言わざるを得ない。人事委員会は公正公平の立場から、きちんとその責務を果たすべきであるのに、なぜこれらの是正勧告をしないのか、また、職員と県民との間で公正で、中立的な判断を義務付けられている人事委員会の責務についてどう認識しているのか、人事委員会事務局長の見解を求める。
答弁者:
人事委員会事務局長
人事委員会は,労働基本権が制約されている地方公務員の給与等勤務条件について,その代償機関としての役割を果たす責務を有しており,給与勧告は,地方公務員法に定める社会一般の情勢に適応した給与を確保するため,県職員の給与水準を民間の水準と均衡させる機能を有するものであります。 給与勧告に当たっては,250に及ぶ県内民間事業所の給与を調査し,職員給与と民間給与を役職別,年齢別,学歴別に比較して両者の均衡を図っており,この結果,給与制度は,職位・職責に対応する仕組みになっております。 平成11年に行われた昇給期間の延長措置は,職員給与を抑制する一つの方法ではありますが,職員の給与水準が常に実際の公民較差と関わり無く定まることとなるため,地方公務員法に定める給与決定原則とは異なるばかりでなく,専ら昇給率の高い若手・中堅職員に重い負担を強いることとなり,その結果,給与が職位・職責に応じたものとならないという制度上の問題があるため,人事委員会として,その復元について要請したところであります。 次に,8級の人員分布については,当人事委員会としても問題意識を持っておりますが,任命権者において改善に向けて努力されてきているところであり,今後とも,より一層の指導・助言に努めてまいりたいと考えております。 また,退職時の特別昇給については,既に,各都道府県知事に対する総務省事務次官通知で,国の基準を上回るものについて是正するよう通知されており,勧告では特に言及しなかったものであります。 採用時の初任給短縮については,昭和48年から実施されているもので,人材確保に資するため,民間の初任給に比べて著しく低額であった職員の初任給を引き上げることとしたものであります。この措置は,平成12年度から休止をしているため言及しておりませんが,雇用情勢なども変化してきており,検討する必要があると考えております。