ヘッダー
トップページへ
  • プロフィール
  • 政策・構想
  • 活動報告
  • 架橋に夢を架けた親子二代五〇年
  • 動画・夢の道
  • 在職30年のお祝いと更なる激励の集い
  • アクセスマップ
  • 広志会
  • リンク
広島県議会質問履歴
2007年 (平成19年 9月 定例会)
会期 平成19年9月定例会
日程 2007/09/26
質問番号 1
タイトル 行政改革への取組みのあり方について
県は,平成9年10月に財政健全化計画を策定以来,約10年間にわたって財政健全化に取り組んできたが,未だにその効果が現れないのは一体なぜなのか。
 平成10年度から今年度までの10年間で,教育委員会や警察を含めた全体で約4,500人の職員を削減したが,依然として厳しい財政状況が続いている。
 未だに財政効果が出て来ないのは,この改革が単に表面的な改革に止まり,本質的な改革につながっていないからではないか。
 この点において,いくつか指摘しておきたい点を申し上げる。
 一点目の指摘として,県は,今まで財政健全化の取組みの中で,外部委託や指定管理者制度により経費節減を図ると言ってきたが,本当に経費節減効果があったのかどうか非常に不明確である。これは,削減された職員給与費分が,外部委託や指定管理者制度に取って代わっただけで,ほとんど財政改革の効果は出てこなかったのではないかと感じるからである。
 加えて,外部委託の関係で申し上げたいのは,行政改革に取り組む上での,基本的で本質的なこと,それは,単に組織をスリム化するだけでなく,職員一人一人の資質向上を図り,少人数になっても従来どおりの総量の業務をこなすだけの力をつけ,また,質の高い行政施策を企画・提供する能力を発揮することであると思う。
 外部委託に頼りきると,自ら企画立案する能力の低下や,何か事が起こったときの危機管理能力の低下を招き,結果として,本来の行政改革の目的からも大きくはずれることになる。
 より高いレベルの技術,能力向上を求めることなく,単に外部委託を進めて自らの技術・ノウハウを移転するだけになると,結果として県はいらないといった議論がでてくるのではないか。
 債権管理の高度化・効率化を図るため,債権の分析,対策検討の助言を受ける債権管理回収会社へ外部委託することについては,滞納債権の回収業務を直接委託するのなら分かるが,滞納債権は,職員自らが滞納発生の原因と傾向,そしてどのように回収するのが合理的か,といったことを分析し,対策を検討し,苦労してその滞納債権の回収に努力することに使命感や達成感が生まれるのではないか。
 今回,外部から受けようとする専門的知識は,今までなぜ職員が習得して来なかったのか。将来的に必要な専門的知識であれば,職員をしかるべき組織へ習得に行かせ,職員自らが分析なり対策・検討ができるようにするのが本来的なあり方であるように思われる。
 また,本年度から定例監査のうち,財務監査に係る調査業務を監査法人又は公認会計士に委託することとされているが,私は,行政監査,財務監査は表裏一体のものであると認識している。県職員が双方の根本を理解した上で,財務の細部にわたるものを専門的にゆだねるというのなら分かるが,財務監査を外部に委託することは,職員の監査能力の低下を招くだけでなく,公道の監査の根本である客観性と主観性のバランスを崩すのではないか。
 二点目の指摘として,出資法人の見直しがほとんど進んでいないことである。
 ひろしま産業振興機構や広島県農林振興センターは,確かに名前は変わったが,既存の業務部門の見直しがなされず,組織は温存されたような状態ではないか。
 また,広島県建設技術センター,ひろしま港湾管理センターの見直しなどは,遅々として進んでいないように見受けられる。
 三点目の指摘として,県当局と職員組合との関係についてである。
 依然として,交渉回数に節度はなく,また,交渉形態においても,数に頼った,旧態依然とした交渉が行われているようである。
 確かに,表向きの組合交渉の回数は減っているかもしれないが,協議といった名称を変えた実質的な組合交渉が頻繁に行われているのではないか。
 県当局として,県が現在置かれている厳しい環境について,職員への意識改革が徹底されていないような気がしてならない。
 以上,県が取り組んでいる行政改革の中で私が気になる点について申し述べたが,これまでの行政改革の取組みの総括として,どのように認識しているのか。特に,行政の外部委託について,どのような考え方をもって実施しているのか,県の考えを伺う。
答弁者:知事 これまで本県においては,県民の視点から,最少の経費で最大の効果が得られるよう,簡素で効率的な行政システムを構築するため,職員削減や給与制度の見直し,全国に先駆けた現業業務の抜本見直しなど,行政改革に積極的に取り組んで参りました。
しかしながら,未だ様々な課題が残されているのも事実であり,引き続き,
 全庁挙げて不断の取組みを行うことが,重要であると認識をいたしております。
その際には,職員の意識改革が不可欠であり,これまでの行政の仕組みや体質を自ら見直し,全職員一丸となって,積極果敢に改革に取り組まなければならないものと考えております。
また,外部委託につきましては「民間でできるものは民間へ」という基本的な考え方のもと,民間実施により質の高いサービスの給付が期待できるものや,
効率的な業務実施が可能なものなどを対象に,積極的に進めており,引き続き,その活用にあたりましては,コスト面での検証も行って参ります。
 今後とも,こうした考え方のもと,「より効率的でスリムな県庁の構築」を目指し,全力を挙げて取り組んで参る所存でございます。
会期 平成19年9月定例会
日程 2007/09/26
質問番号 2
タイトル 道路管理権限の移譲について
先月初め,米国のミネソタ州ミネアポリスで高速道路の橋の崩落事故が起こり,多くの死傷者が出たことは記憶に新しいところである。
 マスコミ報道等によると,米国の都市部においては,3割以上の橋に「欠陥」の検査結果が既に出ていたとのことであり,今回崩落した橋は,40年以上前に設計された橋で,設計当時と比べて交通量の急増に構造的に対応できなかったのではないかとも言われ,また,この事故は老朽化した橋に対する安全対策の遅れを浮き彫りにした,起こるべくして起こった事故であると伝えられている。
 現在,自治体が所管する約12万本の道路橋の管理態勢について国土交通省が調査したところ,国や県が管理する橋についてはほとんど定期点検が実施されているのに対し,市町村においては約9割の団体で予算不足や人員不足などを理由に定期点検が実施されていない状況にあるとのことである。
 このような中で、今後、県道の維持や修繕、関連事務手続きなどの管理権限を政令市以外の市に移譲する予定であると聞いている。
 県道の管理権限を本格的に移譲するのは,全国的にも先進的な権限移譲であると思われるが,移譲を受ける基礎自治体の維持管理体制が追いついていかない拙速な権限移譲は,かえって住民を危険にさらすことになりかねないのではないか。
 高度経済成長期に建設された道路や橋の多くが今後老朽化を迎え,これらの維持管理体制を強化していかなければならないこの時期に,果たして本当に市町は対応できるのかどうか非常に心配である。多くの市町が橋の定期点検さえもできていない状況の中で,更に,県道の管理を引き受けることができるのかどうか,予算や技術職員が不足している市町の実態を踏まえてのことなのか。
 そこで,本県は本格的な道路管理権限の移譲を進めていく中で,市町の道路橋梁の維持管理の現状をどのように認識し,また,今後の県が果たすべき役割・支援についてどのように考えているのか伺う。
答弁者:土木部長 県内の市町が管理する道路橋梁の維持管理の現状につきましては,広島市,福山市,東広島市の3市において橋梁定期点検が実施され,他の20の市町では行われていない状況でございます。
このため,政令市を除く市町に対して橋梁点検のための資料提供や研修会の開催など,点検の実施拡大に向け,技術的な支援を行っており,三次市 他5市町において早期に実施する予定となっております。
 道路管理権限の移譲にあたりましては,県道として必要な管理がなされるよう,橋梁の維持管理をはじめとする各種管理方針や体制等について,十分確認した上で移譲することとしております。
また,市への財源措置につきましては,移譲路線に相当する地方交付税等が充てられることとなっております。
 県といたしましては,移譲後においても,市において適正な県道管理がなされるよう,定期的に連絡調整を行うとともに,県主催の現場研修会の実施など,必要な技術支援を行って参ります。
会期 平成19年9月定例会
日程 2007/09/26
質問番号 3-(1)
タイトル 条件不利地域の振興対策について
我が国は,世界に誇るべき多様な自然,国土を有しており,この恵まれた国土を支えているのが,国土の大部分を占め,人々が「田舎」と称する地域である。
 しかし,こうした地域のほとんどは,国土の一極集中政策,自然的・地理的制約などにより大きく人口が減少し続けていることから,これまで,国では国土の維持を図るため,過疎法や離島振興法,半島振興法などの各種振興法により,条件不利地域の振興に努めてきた。
 にもかかわらず,最近の国の施策は,効率一辺倒による地方切り捨ての考え方が強くなっていると感じている。
 いわゆる「田舎」では,働く場や病院も少ない,道路も悪く交通も不便であり,行政コストが相対的に高くなることは止むを得ないことである。そのため、「不便で住みにくいなら、便利な『まち』に出てくれば良いではないか。行政コストの効率化のためにも、そうすべきだ。」といった暴論も、最近では平然と聞かれるようになった。
 しかし、それは、「田舎」を社会のお荷物と見る、勝手な考え方である。そこに住んでいる人々は,そんなに簡単には「ふるさと」を捨てられない。不便な生活の中にも,ふるさとを守り慈しむ強い気持ちを持って,力強く生きておられるのである。そして,この国土の大部分を占める「田舎」が,食料の供給,水源涵養,地球温暖化防止など,国民全てにとって,非常に重要な機能を支え続けているのである。
 こうした条件不利地域に対する国の振興法としての過疎法について伺いたい。
 過疎法による対策により,道路などの生活基盤の整備は一定程度進んだが,今なお多くの課題を抱えており,集落崩壊が次々と進んでいる。
 しかし,最近の効率性を重視した国の考え方が強まりつつある中においては,単なる現行法の延長のみを主張するのではすんなりと理解されないと思われる。
 したがって,過去から継続してきた過疎法の成果を総括した上で,新たな過疎法は一体何を目指すのかという中身の議論が大切であり,多くの人が賛同し得る意義やあり方を地方自らが考えた上で,国などに発信していく必要があるのではないかと考える。
 そこで,新たな過疎法制定に向けた県独自の取組みについて,どのように考えているのか伺う。
答弁者:知事 過疎対策につきましては,昭和45年に過疎地域対策緊急措置法が制定されて以来,3次にわたる特別措置法の制定により,様々な過疎対策事業が実施され,過疎地域における生活環境基盤を始めとする各種社会資本の整備など一定の成果があったものと認識いたしております。
 しかしながら,過疎地域においては,人口の減少と少子・高齢化の進行が顕著であり,公共交通の縮小,医師不足,地域産業の衰退,耕作放棄地の増加や森林の荒廃など地域活力が大きく低下する中で,崩壊が危惧される集落が増加するなど,過疎地域を取り巻く環境は依然として厳しい状況となっております。
 このため,過疎地域につきましては,引き続き,総合的な対策を推進する必要があると考えており,全庁横断的なプロジェクトチームを立ち上げ,過疎地域の現状と課題を明らかにしながら,的確な対策を講じていくことといたします。
 また,こうした取組みを通じて得た成果をもとに,国に対し,新法制定に向けて積極的な働きかけを行って参りたいと考えております。
会期 平成19年9月定例会
日程 2007/09/26
質問番号 3-(2)
タイトル 瀬戸内海地域の振興に向けた取組みについて
豊島,大崎下島は,条件不利地域として離島振興法による地域指定がなされ,振興策が講じられているが,現在,工事中の安芸灘諸島連絡橋の三号橋である豊島大橋が完成すれば,本土と連絡することにより地域指定から外れることとなる。更に,構想されている八号橋が完成すれば,大崎上島までも離島振興地域から外れることになるが,島々の人口が少ないため,人口基準に大きく届かず,半島振興法による地域指定への移行が叶わないという状況がある。
 この問題については,半島地域の指定要件緩和等について,引き続き,国に対し,積極的な要請を行っていただきたいと思っている。
 ところで,これらの島々を有する風光明媚な瀬戸内海は,本県だけでなく,我が国にとっても極めて有効な資源であると考えている。しかしながら,先ほどの安芸灘諸島をはじめ,瀬戸内海の多くの島々は若者の流出が進み,それぞれ高齢化や過疎に悩んでおり,こうした事情は瀬戸内海を抱える各県共通の悩みでもある。
 瀬戸内海という資源をいかに有効に活用するかと同時に,個々の島々で行われている農業を中心とした各種産業において,所得を高め,競争ができる環境を整えるような支援,振興施策が必要である。
 併せて,各県がバラバラにがんばっても限界があり,いかに関係各県が連携して取り組むかが重要なのだろうと思っている。
 このため,先ほどの離島振興法などによる全国一律の振興策も必要であるが,それに加えて,瀬戸内海の有効活用という共通の視点から,関係各県が協働して活性化策に取り組むべきである。
 平成16年度に中四国の沿岸各県などが共同して,「新瀬戸内海空間の創出」を目指した「瀬戸内海創生構想」を策定したが,各県が共同した確固とした対策が打ち出されているのか見えてこない。
 瀬戸内海の離島や半島地域全体の振興方策について,農業などの所得を高めるための具体の振興施策についてアイデアを出し合い,また,施策を推進していくための各県共同の体制づくりがまずは必要であると感じている。このため,この体制づくりのリーダーシップを広島県が執って,各県に働きかけてはどうか。
 瀬戸内海地域の振興に向けた,先進的・先導的取組みがなされるよう期待するものであるが,私のこの提案について,県としての考えを伺う。
答弁者:知事 世界において比類のない美しさを誇る瀬戸内海は,中国地方,四国地方から,九州,近畿地方に至る圏域に接する共通の資産でございます。
 また,瀬戸内海地域は,わが国の発展の一翼を担って参りましたが,産業構造の転換や低未利用地の増大の一方で,失われた自然環境の保全と回復など,様々な課題が顕在化しております。
 こうした中にあって,当該地域の振興は,まずもって瀬戸内海の再生を通じて図られるべきものと考えております。
 瀬戸内海の再生のためには,自然環境の保全・回復と,環境と調和した秩序ある多面的な利活用を促進する手法である「沿岸域の総合管理システム」が有効であり,その導入を前提とする法整備について,主要事業提案などにより国に働きかけてきたところでございます。
 また,現在,国においては,国土形成計画法に基づく全国計画や広域地方計画の策定が進められております。
 本県といたしましては,瀬戸内海地域の強みを活かした施策や環境の保全と調和した利活用の新たな仕組みなどが,計画に位置付けられるとともに,新たな法整備が行われるよう,関係県などとも連携して,働きかけを強めて参りたいと考えております。
会期 平成19年9月定例会
日程 2007/09/26
質問番号 4
タイトル 港湾埋立事業のあり方について
今回の土地造成事業会計の補正予算案で,千代田工業・流通団地の一部を大宅盤に改良するための事業費が計上されているが,私は,以前,この団地が完成してすぐの頃に,この団地の地形と小宅盤で区画された土地を見て,これでは売れないと強く指摘していた。その後,なかなか買い手が見つからない中で,今回の大宅盤へ改良するという話を聞くと,なぜ当初計画段階で,地形的な条件や企業ニーズについて十分な調査・検討がなされなかったのか,県の見通しの甘さを問題視している。
 このような見通しの甘さは,産業団地の造成に限らず,港湾埋立事業などにも出ているのではないか。
 先般,広島港宇品内港地区の県有地の分譲決定に対して,近隣の立地企業が仮処分命令の申立てをしたとの新聞報道があったが,企業というのは,県の策定した土地利用計画などを踏まえて参入計画を立て,立地し,設備投資などを行うわけだから,土地利用計画の安易な用途変更は,立地企業にとって相当な負担を強いることになることを,県は十分認識しなければならないと考える。
 特に,港湾埋立事業は,当初計画段階から事業完了までの期間が相当に長いものとなるわけだから,当初計画段階における長期的視点にたった戦略やその地域の将来の姿をどのように描くかと言ったコンセプトづくりは非常に重要であると考える。
 そこで,港湾埋立事業における,将来を見据えた戦略や街づくりのコンセプトをどのように考えているのか,県の認識を伺う。
答弁者:知事 港湾埋立事業につきましては,臨海部における物流,産業,生活並びに防災空間等の形成を目指しており,地域経済の活性化や県民生活の向上に,必要不可欠なものと考えております。
 広島港・福山港においては,中四国地域の中核国際港湾,備後地域の国際物流拠点に相応しいグローバルゲートウェイ機能強化や,賑わいのある「みなとまちづくり」をコンセプトとして,岸壁などの港湾施設と併せて物流用地や都市再開発用地等を計画しております。
 その際には,地元自治体の将来計画や企業ニーズの把握を十分行うとともに,学識者等の意見も聞いた上で,長期的な視点から計画を定めております。
 一方,臨海部における土地需要は,完成時期の景気動向や企業を取り巻く環境変化に左右されることから,長期的な視点を十分にふまえつつ,社会経済情勢の動向を見極めながら,必要に応じて土地利用計画の見直しなど,適切に対応する必要もございます。
 今後とも,本県の中枢性・拠点性の向上を目指して,戦略的に,港湾埋立事業の実施や活用を図って参りたいと考えております。