2009年 (平成21年11月 決算特別委員会)
会期 | 平成21年11月決算特別委員会 |
日程 | 2009/11/20 |
質問番号 | 1 |
タイトル | 人件費の適正水準について |
問 | 財政課は,10月の総務委員会で「今後の財源不足への対応を考えるための機械的試算」を公表された。 その結果を見ると,現行の具体化方策と同率の対策を行う「ケース1」の場合でさえ,累計で黒字化するのは,平成27年度になるなど極めて厳しい状況である。 こうしたことを踏まえると,早急に新たな健全化計画を策定する必要があるが,その策定に当たっての方針が大変重要であると考えている。 財政健全化により,歳出総額は,平成11年度以降,減少の一途を辿り,歳出の大部分を占める人件費と普通建設事業費はともに削減してきた。 現行の「新たな具体化方策」では,人件費抑制を含む「内部努力の徹底」と普通建設事業費等の削減等を含む「施策の見直し」がそれぞれ186億円の効果を出し,一見バランスが取れているように思われる。 しかし,普通建設事業費は,前回計画の「具体化方策」で,平成15年度から大幅に削減された平成18年度をベースにカットの目標が立てられ,事業費は大きく減少していくが,人件費のうち給与カットは,本来の給与をベースにカットが行われるため,大きく減少することはない。 このため,それぞれの歳出総額に占める割合は,普通建設事業費では,ピークの平成5年度に35.6%であったものが,平成21年度には14%と激減しているが,人件費は,概ね3割を超えた水準で高止まりしている。 市町への権限移譲により,県の仕事は市町に移り,また,指定管理者制度などにより民間委託を進めたことにより,人件費相当分は,市町への交付金や民間業者への委託料に形を変え,人件費には含まれていないにもかかわらず減っていないということになる。 つまり,具体化方策の結果は,投資的経費は大幅に削減したが,職員の人件費はほとんど削減されていないという評価にならざるを得ないのではないか。 こうして考えていくと,人件費の水準及び職員定数が本当に適正なものになっているのか疑問である。 歳出に占める割合として,今の人件費総額は,適正水準と考えているのか,また,そうであるならば,その根拠は何か,知事に伺う。 |
答弁者:知事 | 人件費につきましては,厳しい財政状況等を勘案いたしまして,長期にわたる給与抑制措置や第2次行政システム改革推進計画に基づく職員数の削減により,その抑制に取り組んで参りました。 一方,退職者の増加や職員の平均年齢の上昇に伴う給与単価の増加といった 増額要因もございました。 人件費の歳出に占める割合につきましては,適切さを示す指標はございませんが,平成19年度決算において,全国で本県を含む約7割の団体が30%を超えている状況にございます。 また,本県は類似団体で政令指定都市を有する全国10府県中,人件費の比率が第8位と低い水準にあることなどを考慮いたしますと,決して高いものではないと考えております。 しかしながら,財政構造の弾力性を確保するためには,人件費をはじめとする義務的経費の不断の見直しが不可欠でございまして,引き続き,その取組を進めることが必要であると考えております。 |
会期 | 平成21年11月決算特別委員会 |
日程 | 2009/11/20 |
質問番号 | 2 |
タイトル | 財団法人ひろしま産業振興機構の見直しについて |
問 | ひろしま産業振興機構では商工労働局とほとんど同じ仕事をしており,ここに124人もの職員が配置されている。なぜ商工労働局でもう少しできないのか。なぜ商工労働局と同じ仕事をやらなければならないのか。 改革がまだ進んでおらず金が二重に支払われているのではないか。二重行政とならないような見直しをしていくつもりがあるのか商工労働局長に伺う。 |
答弁者:商工労働局長 | ひろしま産業振興機構は,産学官の共同体制の下で,県内企業の成長段階に応じた総合的な支援を行う中核的な産業支援機関という位置付けでございます。 機構と商工労働局の役割分担といたしまして,まず県は,総合的な産業振興施策や企画立案,モデル事業などの実施,それから機構は,経営や技術,資金調達,研究開発支援など,民間からの派遣によります専門家を活用した県ではできない事業を実施するというたてりになっております。 ただ,産業振興機構そのものは,平成14年にそれまでの産業技術振興機構,それから産業振興公社,国際経済交流協会,この3つの法人,それから団体をベースに新たにスタートしたものでございまして,設立当初からこれまで,継続的な見直しを色々やってきてまいりました。特に一昨年度からは,個別事業の総点検を行いますとともに,組織の再編,それから県派遣職員の削減といったようなものに取り組んで,経費節減に努めてきたところでございます。 この結果,先ほどご質問にございました現在124名という非常勤を含めた総職員数でございますけれども,設立当初から比べると40名近くが一応削減をした実績がございます。 ただ,これが全て終わりということではなく,来年度も引き続き,商工労働局との事業仕分けの観点から,ひろしま産業振興機構の組織と実施事業の見直しを県として積極的に行うということによりまして,引き続き組織定数の削減に向けた取組を進めて参りたいというふうに思っております。 |
会期 | 平成21年11月決算特別委員会 |
日程 | 2009/11/20 |
質問番号 | 3 |
タイトル | 普通建設事業の適正水準について |
問 | 財政課の作成した,「広島県の財政状況」に,歳出総額に占める普通建設事業費と公債費の合計の割合を示したグラフがあるが,普通建設事業費と公債費を単純に合計して比較するのは疑問である。 ここでは,普通建設事業費は大きく減少しているが,公債費は増加しており,その合計はそれほど減少していない。 いかにも普通建設事業費は減っていないとの印象を与えている。 しかし,公債費の増加は,財源不足を補填するための行政改革推進債などの増加が要因である。 国と違い,県の場合は,赤字県債が原則発行できないため,行政改革推進債などを普通建設事業費に充当したのであり,公債費の増加の要因が普通建設事業だけにあるのではない。 この資料については,誤解を生むおそれがあり,大いに問題があると指摘しておきたい。 右肩上がりの時代のように建設事業費をどんどん増やすといった対応もおかしいが,ここまで事業費の水準が下がってくれば,現在の健全化計画のように一律に削減率を定め削っていくのも,妥当性を欠くのではないか。 特に,民主党政権になり,来年度の国の道路等建設事業費は大きく削減される可能性がある。 本県にとって,本当に必要な建設事業費や維持管理費を確保していくためには,しっかりとした県の方針及び事業計画が必要である。 次期健全化計画においては,公共事業も,従来のように,財源不足の調整弁として単にカットしていくのではなく,事務事業総点検に準じたゼロからの積み上げによる見直しを行うべきではないかと考えるが,総務局長に伺う。 |
答弁者:総務局長 | 本県では,厳しい経済状況の中で財政健全化を図るため,公共事業を中心とする投資的経費について,計画的な縮減を図って参ったとこでございます。 今後も,本県を取り巻く厳しい財政状況が,継続すると見込まれることから,引き続き,計画的かつ着実に,財政健全化に向けた取組を進めていく必要があると考えているところでございます。 また,県民の皆様の暮らしと雇用を守り,地域経済の活性化を図るための社会基盤の整備も,進めていかなければならないと考えているところでございます。 このため,公共事業についても,これまで以上に選択と集中を徹底し,特に,県政の重要課題であります,中枢性・拠点性向上に向けた交通物流基盤強化,防災機能の充実,安全な生活の確保,農林水産業の構造改革の推進などの分野につきましては,引き続き,重点化を図っていく必要があるものと考えているところでございます。 このような考えを念頭に置きながら,平成22年度以降の公共事業予算をどのように見直していくのかにつきまして,検討して参りたいと考えております。 |