2025年(令和7年)12月 一般質問

 16年間も続いた湯崎前知事から、このたび、横田知事へと県政が引き継がれました。

 湯崎県政16年を振り返ると、広島市中心部以外は何も変わらず、むしろ、県全体としては徐々に衰退した感があります。
 県は見栄えのよい施策に執着するばかりで、施策の企画立案も中途半端なまま、走りながら考え、その上、ちゃんとしたPDCAによる検証と改善を行わないため、施策の成否も不明で同じ失敗を何度も繰り返してきたように私は感じております。

 横田知事にはそのようなことがないようお願いさせていただき、質問に入ります。

目次

質問1:中山間地域や島嶼部の県土強靱化を担う土木業者の育成について

1. 現状と問題の背景

  • 目標と現実の乖離:県は「災害死ゼロ」を掲げるが、地震被害想定では最大1.4万人の犠牲が予測されており、目標が形骸化している。
  • 地域防災力の低下:中山間地域や島嶼部(とうしょぶ)において、地元の土木業者の廃業・倒産が相次ぎ、災害時の即応体制が失われつつある。

2. 地元業者が衰退する「悪循環」の原因

  • 公共事業の縮小:県が過疎地への配慮を欠いたまま公共事業を縮小し、都市部との格差を広げた。
  • 入札制度(ランク制)の壁:実績がないとランクが下がり、入札できる工事がさらに減るため、地元業者が実績を積んで成長できない仕組みが放置されている。
  • 呉市島嶼部の実例:呉市の島嶼部には現在「Aランク」の業者が存在せず、全体の業者数も平成17年から半減した。

3. 懸念されるリスク

  • 広域災害時の復旧遅れ:南海トラフ巨大地震などが発生した際、地元ですぐに復旧工事に取りかかれない致命的なリスクがある。
  • 能登半島地震の教訓:石川県珠洲市のように、入札不調が続き災害から2年経っても復旧が進まない状況が広島県でも起こり得る。

4. 知事への質問内容

  • 質問①:中山間地域や島嶼部で土木業者が激減する中、どのようにして県土強靱化を実現するのか?
  • 質問②:災害後の復旧体制を確保するため、入札制度の見直しを含め、地元の土木業者を普段からどうやって育成していくのか?

質問1:当局答弁

横田美香知事

1. 建設産業に対する「県の認識」

  • 地域の守り手としての重要性:気候変動による災害の激甚化や大規模地震に備えるため、インフラの維持管理や災害時の緊急復旧を担う建設事業者は極めて重要であると認識している。
  • 厳しい経営環境への理解:資材高騰、人手不足、高齢化、時間外労働の上限規制(2024年問題等)などにより、業界全体が厳しい状況にあることを把握している。

2. 県の具体的な取り組み(対応策)

  • 受注機会の確保と環境整備:公共事業を安定的に発注しつつ、働き方改革、給与などの処遇改善、デジタル技術を活用した生産性の向上を後押しする。
  • 入札制度の改善(中山間地域への配慮):地元業者が工事を受注しやすくなるよう、以下の工夫を継続して行っている。
    • 工事の規模に応じた適切な「地域要件」の設定
    • 地元ならではの「地域の精通性」や「地域貢献度」を評価する仕組みの導入
  • 技術者の育成支援:現場を効率化するための「ICT(情報通信技術)活用工事」の普及に向け、令和4年度から若手・未経験の技術者向けに講座を開催している。

3. 今後の方針

  • 確保と育成の継続:地域の実情や課題をしっかりと聞き取りながら、地域のインフラと命を守る地元の建設事業者が存続し、育っていけるよう取り組んでいく。
  • 安定的な工事量の確保:県土強靱化をしっかりと進めるため、必要な公共事業の量を安定的に確保する。

質問2:防衛省による多機能な複合防衛拠点の整備について

1.提案の背景

  • 歴史と期待:呉はかつて海軍工廠の技術を民間転用して発展した歴史があり、今回の「複合防衛拠点」の整備も経済効果や雇用創出が期待され、呉市民の66%が賛成している。
  • 防衛予算の拡大:国が防衛費をGDP比2%(約11兆円)へ大幅増額する今こそ、県が主体的に関与して地域に最大の価値をもたらすべきである。

2. 提案①:複合イノベーション防衛拠点(産業・雇用)

  • 問題意識:国の計画(民間企業誘致)だけでは、企業の投資リスクが高く、採算が合わなければ撤退や雇用の縮小が起きる。
  • 提案内容
    • 国の責任で「最新技術の研究開発施設」や「量産化を担うマザー工場」を整備する。
    • 現場の従業員には民間企業を活用し、地元の雇用を確保しながら研究から生産まで一貫して行う「複合イノベーション防衛拠点」とする。
  • 知事への質問:呉市などと連携し、この仕組みを国へ要望していくべきではないか?

3. 提案②:複合型の防災拠点(防災・医療)

知事への質問:この方針を明確にして、国へ積極的に要望していくべきではないか?

  • 問題意識:政府は民間船舶の運用開始や「防災庁」の新設を予定している。災害大国である広島県として、国頼みではなく主体的に動くべきである。
  • 提案内容(平時)
    • 整備される大型岸壁を活用して「病院船」を運用し、島嶼部の巡回診療や医療人材の育成を行う。
    • ドローンやドクターヘリ等を使い、病院船への物資搬送などの防災物流訓練を行う。
  • 提案内容(災害発生時)
    • 避難者や患者を受け入れる陸上施設を整備する。
    • 医療機器等の開発・製造・訓練・備蓄を一体化し、平時から復旧・復興までを一貫して管理する「複合型防災拠点」とする。

質問2:当局答弁

横田美香知事

1. これまでの経緯と取り組み

  • 地域活性化に向けた要望:日鉄呉跡地の利活用は地域経済に多大な影響を与えるため、昨年度に呉市と共同調査を実施。防衛省に対し、高い経済効果が見込める企業を誘致するよう要望してきた。
  • 県の要望の反映:今年3月に防衛省が公表したゾーニング案には、県の要望が以下のように反映された。
    • 民間企業誘致エリアを「20ヘクタール」確保。
    • スタートアップ企業も入居できる**「研究関連施設」**の整備計画を盛り込む。

2. 現在の具体的な動き

  • 3者での意見交換スタート:今年9月、防衛省・呉市・広島県の3者による意見交換を開始。
    • 整備の今後のスケジュール調整。
    • 研究関連施設における AIやサイバーセキュリティー分野などのスタートアップ誘致 に関する具体的な対話。

3. 今後の方針

  • 雇用と経済効果の最大化:今後も呉市としっかりと連携し、地元の雇用確保と経済波及効果が最大限得られるよう、防衛省に対して継続して要望・意見交換を行っていく。

梅田泰生商工労働局長

1. 病院船に対する「県のスタンス」

  • 国の整備計画の進行:令和7年3月に閣議決定された計画に基づき、国主導で医療提供体制の整備が進められる。
  • 現状の課題と対応:病院船を「平時」にどう活用するかについては、まだ検証すべき点が多いとされている。そのため、県としては**今後の国の出方や政策の動向を慎重に見守る(注視する)**姿勢をとる。

2. ドローンを活用した物資輸送訓練

  • すでに取り組んでいること:災害時に孤立する恐れがある場所を想定し、ドローンを用いた医薬品などの物資輸送訓練をすでに実施している。
  • 今後の方針:各市町や関係機関と連携し、今後も継続してドローン等の輸送訓練を実施していく。

3. 複合防衛拠点内の「防災エリア」について

  • 防衛省案の現状:今年3月の防衛省のゾーニング案において、一部エリアを防災拠点とすることが示されている。
  • 県の考え:その具体的な機能や配置については、今後防衛省側で検討・決定されるべきものであると考えている。

4. 今後の対応

  • 意見交換の継続:これらの国の動きや防衛省の検討状況を踏まえ、日鉄呉跡地の利活用について、引き続き呉市と連携しながら防衛省と話し合いを重ねていく。

質問3:瀬戸内海の水産資源の復活について

瀬戸内海の水産資源の復活について

1. 現状と問題の背景

  • 深刻な漁業被害:かつては「漁業資源の宝庫」と呼ばれた瀬戸内海だが、現在は資源が枯渇している。特に広島名産の「カキ」が9割以上へい死する地域が出るなど深刻な事態。
  • 対処療法の限界と原因の放置:これまでの県の対策(稚魚の放流など)は一時しのぎに過ぎず、不漁の根本原因の解明が放置されてきた。
  • 指摘される根本原因
    • 過去の過剰な「海砂採取」による魚介類の生息地の破壊と循環機能の低下。
    • 「ダム建設」などにより、山や川から海へ流れる土砂や栄養分が遮断されていること。

2. 知事への質問内容

  • 質問①:水産資源が枯渇した「根本的な原因」をどう認識しており、復活に向けてどんな具体策を講じるのか?
  • 質問②:水産資源を復活させるため、部局の枠を超えた(部局横断的な)環境改善や法整備などの総合的な対策を行う考えはあるか?

県立研究開発機関(総合技術研究所)のあるべき姿について

1. 現状と問題の背景

  • 組織統合の理念:平成19年に8つの技術センターを統合して「総合技術研究所」を設立。「複数分野にまたがる横断的研究」を目指した。
  • 統合から18年で噴出している課題
    • 予算・機器の不足:古い機器の処分や更新ができず、耐用年数を超えた機械を使い続けており、新規購入もできず検査に支障が出ている。
    • 現場・関係部局との連携不足:統合された結果、各行政部局(農林水産局、商工労働局、健康福祉局など)との連携が薄れ、現場の課題に素早く対応できていない。
    • 研究の遅れ:中期事業計画を見ても、「瀬戸内海の水産資源復活」といった県の緊急課題に対する体系的な研究が十分に進んでいない。

2. 知事への質問内容

  • 質問④:検査機器の更新・導入や、組織体制の見直しなど、今後の研究開発機関の在り方にどう対応していく方針か?
  • 質問③:研究開発機関を統合してからの18年間の課題を、県としてどう総括(評価)しているか?

当局答弁

横田美香知事

水産資源減少に及ぼす「原因の分析」

県は水産資源が減っている原因を以下のように分析しています。

  • 獲りすぎ:自然に増える量よりも、漁獲する量が多くなったこと。
  • 漁場環境の悪化:産卵場や隠れ家となる「藻場」の減少や、海底の酸素不足(貧酸素化)。
  • 水質と水温の変化:海水中の栄養分(窒素などの栄養塩類)の不足や、地球温暖化による海水温の上昇。

2. 県が実施・計画している「4つの具体策」

  • ① 資源管理(漁獲調整)
    • キジハタなどの稚魚(種苗)放流。
    • 小さい魚は獲らないなど、漁業者自身による自主的なルール(資源管理)の徹底。
  • ② 漁場のリフレッシュ(環境改善)
    • 人工的な藻場の計画的な造成。
    • 「海底耕うん(海の底の泥を耕すこと)」の拡大により、酸素を送り込み、魚の餌となる生物を増やす。
    • カキ殻を海底に撒いて泥の質を良くするための「散布ガイドライン」を策定中。
  • ③ 栄養分の供給(下水処理場との連携)
    • 川や海に栄養を流すため、下水処理施設の運転方法を工夫する「栄養塩類管理計画」を関係部局が連携して策定中(市町への協力働きかけ)。
  • ④ 水温上昇への対策
    • 水温上昇が及ぼす影響の予測や対策について、専門家の意見を踏まえながら国と連携して進める。

3. 今後の姿勢

  • 多方面からのアプローチ:漁業者や自治体と一体となって環境改善を急ぐとともに、「山や川から海へ運ばれる栄養分」(質問での指摘事項)にも着目し、多角的な視点から瀬戸内海の豊かな海を復活させる。

内藤和弘経営戦略審議官

1. 組織統合の評価と現状(部局連携について)

  • 初期の課題と現在の改善:平成19年の統合当初は、現場への技術普及や意思決定に時間がかかる課題があった。しかし、現在は関係事業局との「連携会議」を継続し、情報共有と迅速な意思決定が行えている。
  • 具体的な連携実績:県の行政課題に対応するため、各事業局と連携して以下の研究開発を行っている。
    • 農林水産分野:広島和牛の生産拡大、ナマコの水産資源の増大、杉・ヒノキの苗木の生産拡大など。

2. 研究機器・検査機器の整備方針(予算と更新について)

  • 計画的な整備の実施:利用者のニーズ、使用頻度、部局の意向、さらには危機管理上の必要性を踏まえ、**「5年間の整備計画」**を策定している。
  • 予算への対応:限られた予算(経営資源)の中で、この計画に基づいて優先順位をつけ、計画的に機器の更新や処分を行っている。

3. 今後の方向性

  • 現行体制の維持:組織体制は現在の形(総合技術研究所)のまま継続する。
  • ミッションの遂行:以下の3つの目標に向けて、現場のニーズに応じた研究開発や技術支援に引き続き取り組む。
    • 県内企業の価値向上と県経済の発展。
    • 感染症や災害・事故時における県民の健康と生活環境の確保。
    • 各部局が推進する行政施策のサポート。

質問4:産業インフラ整備ビジョンの策定について

1. 現状と問題の背景

  • 基幹企業の相次ぐ撤退・縮小:かつて中四国一の「ものづくり県」だったが、日鉄呉地区や三菱、帝人、シャープなどの撤退・縮小により地盤沈下している。
  • 中小企業の危機:ものづくりを支える中小企業が、物価高、人件費上昇、人手不足の三重苦で廃業危機の瀬戸際にある。
  • イメージ先行施策の限界:県が行ってきた「サンドボックス」や「ユニコーン10」などの一過性の派手な施策は、ものづくりの基盤強化には結びついておらず、若者の県外流出を止められていない。

2. 産業活性化に本当に必要なこと

  • 地道なインフラ整備:イメージ戦略やイベントに頼るのをやめ、企業が活動しやすい足腰の強い環境を整えるべきである。
  • 具体的な整備対象
    • 安定した電力の供給体制
    • 工業用水の確保
    • アクセスを良くする道路インフラ
    • 新たな工場や企業を呼び込むための産業用地の確保

3. 知事への質問内容

  • インフラ整備ビジョンの策定:本県の本来の強みであるものづくりを再生し、半導体・AI・データセンターなどの新産業を育てるため、まずは「産業インフラ整備に関する明確なビジョン」をつくり、知事が先頭に立って取り組むべきと考えるがどうか?

質問4:当局答弁

梅田泰生商工労働局長

1. 産業インフラ整備に対する「県の認識」

  • 重要性の理解:企業誘致や投資促進のために、産業用地・水・電力・道路などのインフラ整備は極めて重要であると認識している。
  • 事前整備のリスク:企業が求める条件(面積、必要な水量・電力量など)はバラバラであるため、県が事前にすべて整備しておくことは、無駄な過剰投資(空き地や過剰設備の発生)になるリスクがあると考えている。

2. これまでの対応方法(オンデマンド型)

  • 計画の早期キャッチ:東京や大阪の事務所を通じて企業への営業活動を行い、投資計画をいち早く把握する。
  • 個別対応の整備:計画が浮上した段階で、その企業が必要とする水・電力・道路などのインフラを、市町や事業者と協力してその都度ピンポイントで整備する手法をとってきた。

3. 今後の方向性と国の動き

  • 将来に向けた研究:この国の動きを注視しながら、国や関係機関と協力して、今後は「先を見越した計画的な産業インフラ整備」についても研究・検討していく。
  • 国の新しい動き:国が今月、地方への産業集積(産業クラスター形成)とインフラ整備を一体で進める方針を表明した。

質問5:横田県政の施政方針と実行性の確保について

1. 総論(前県政の課題と新知事への要望)

  • 「看板倒れ」の是正:前県政(湯崎県政)は耳触りのよい美辞麗句で事業を始めるが、検証を行わず費用だけが膨らみ、結果に責任を取らなかった。横田新知事は前例にとらわれず、結果まで責任を負う政治を行うべきである。

2. テーマ別の問題指摘と質問

① 教育分野(教育長への質問)

  • 問題点
    • 「日本一の教育県」という、競争を煽るだけのキャッチフレーズへの疑問。
    • 前教育長による官製談合防止法違反などの一連の不祥事と、その後の不十分な調査対応(一部は内部調査で済ませるなど)による不信感。
    • 県外生が半数を占める「叡智学園」への巨額予算投入による、他校との教育格差の拡大。
    • 公立高校の志願倍率の低下や、教員志願者の減少への対策不足。
  • 質問
    • 不祥事からどのような教訓を得て、現在はどう改善したか?
    • 今後も「日本一の教育県」という表現を使い続けるのか?
    • 叡智学園と他校との教育条件の格差にどう対応するのか?

② 治安・警察分野(警察本部長への質問)

  • 問題点
    • 「日本一安全・安心な広島県」を掲げているが、相次ぐ警察の不祥事や、刑法犯認知件数・体感治安などの目標が未達成であること。
    • 巧妙化するSNS・ネット犯罪への対応が遅れていること。
  • 質問
    • 不祥事の再発防止策は何か?
    • そもそも「日本一安全・安心」とは具体的に何をもって日本一と判断するのか?その実現方針は?

③ 医療・がん対策分野(知事への質問)

  • 問題点
    • 開所から10年となる「広島がん高精度放射線治療センター(HIPRAC)」が目標患者数を下回り続け、予算不足で機器の更新すらできない状態。
    • 毎年多額の赤字補填(昨年度は計約3億円)が行われているが、その効果が検証されていない。
  • 質問
    • HIPRACの開設前からの総投資額はいくらか?
    • ここで得た教訓を「高度医療人材育成拠点事業」にどう活かすのか?
    • 今後のHIPRACの運営方針は?

④ 財政・行政運営分野(知事への質問)

  • 問題点
    • 総合計画の裏付けとなるはずの「中期財政運営方針」と「行政経営方針」の策定が遅れており、計画が「絵に描いた餅(予算の裏付けがない計画)」になるリスクがある。
    • 広島高速5号線や立体交差事業の度重なる延期により、県民の不信感が高まっている。
  • 質問
    • 財政・行政経営方針の策定を遅らせる中で、どのように実効性を担保した令和8年度予算を編成するのか?
    • それを実施するために、どのような組織運営体制を構築するのか?

質問5:当局答弁

横田美香知事

1. 総合計画と財政・行政方針の「基本の仕組み」

  • 3つの柱で推進:広島県政は、総合計画(ひろしまビジョン)を基本とし、それを財政面(中期財政運営方針)と行政運営面(行政経営の方針)が支えることで、実効性を持たせて実行している。

2. 各方針の策定が「遅れている理由」

  • 知事選への配慮:今年11月に予定されている県知事選挙を考慮したため。
  • 手順の整理:知事選の後に新しい体制で計画全体(ひろしまビジョン)を議論し、その議論がまとまった後に「中期財政運営方針」と「行政経営の方針」を正式に策定するスケジュールにした。

3. 令和8年度当初予算の「具体的な編成方法」

  • 「県政運営の基本方針」で代替:中期財政・行政方針の策定が遅れる間は、毎年の基本計画である「県政運営の基本方針」の中に以下の財政目標を定める。
    • 財源調整的基金(貯金にあたるもの)の残高目標
    • 将来負担比率などの具体的な指標
  • 予算の実効性担保:この方針に基づき、知事が挑戦したい重要施策と、持続可能な財政運営(借金や貯金のコントロール)を両立させた、実効性のある令和8年度予算を編成する。

4. 組織運営について

  • パフォーマンスの最大化:施策を実行するための組織運営のあり方も「県政運営の基本方針」に明記し、組織全体で高い成果を出せる体制を築いていく。

北原加奈子健康福祉局長

1. HIPRACへの「投資総額」

  • 合計:約75億1,000万円
    • 開設まで:約61億6,000万円(用地取得、施設整備、機器購入など)
    • 開設後〜令和6年度:約13億5,000万円(運営委託、機器更新、保守など)

2. これまでの「主な成果」

  • 最先端治療の提供:約10年間で、延べ6,000人を超える患者に最先端の放射線治療を実施した。
  • 人材育成と啓発:医学物理士などの専門資格を持った医療人材を育成したほか、市民向け講座等でがん治療の普及活動を行った。
  • ノウハウの蓄積:全国から視察を受けるなど県内外のがん医療に貢献し、蓄積した技術・ノウハウは将来の新病院へと引き継ぐ。

3. 明らかになった「課題と原因」(患者不足の理由)

  • 課題:当初の計画よりも、放射線治療を受ける患者の確保が困難だった。
  • 原因分析
    • 治療法の多様化:新薬の開発(化学療法)や手術支援ロボットの進化により、放射線以外の治療を選ぶ患者が増えたため。
    • 病院の囲い込み(指定要件の変更):国のルール変更により、各がん拠点病院が自前で一定数(年間200例以上)の放射線治療実績を作る必要が生じ、HIPRACへの患者紹介が減ったため。

4. 今後の「運営方針」(新病院との統合)

  • 質の向上:これまでの成果と失敗(課題)を新病院の運営に反映させ、より身体に負担の少ない高度ながん医療を提供していく。
  • 新病院との一体化:今後は、新しくできる新病院の「がん医療センター」と統合する。
  • オーダーメイド治療の提供:放射線だけでなく、手術、抗がん剤(化学療法)、がんゲノム医療を組み合わせ、患者一人一人に最適な治療を提供する。

篠田智志教育長

1. 不祥事を受けた「組織風土の改革と成果」

前教育長の官製談合問題等を受け、以下の改善策を実施しました。

  • 実施した3つの具体策
    1. 教育長による「心理的安全な職場づくり宣言」の発出。
    2. 上司と部下の定期的な個別対話(1on1ミーティング)の実施。
    3. 部下が上司を評価する「多面評価(360度評価)」の導入。
  • 意識調査の成果:今年10月の職員調査において、以前より「心理的安全性が高まった」と答えた職員が8割以上となり、組織風土の改善に一定の効果が見られた。

2. キャッチフレーズ「日本一の教育県」の今後

  • 見直しの検討へ:教育の基本方針である「教育に関する大綱」が今年度末(令和7年度末)で満了となるため、次の新しい大綱を策定する中で、この表現の変更や基本理念の見直しを検討していく。

3. 広島叡智学園の「多額の予算に関する説明」

多額の予算をかけている理由として、以下の学園ならではの運営費が必要であると説明しています。

  • 施設運営費:留学生や異なる年齢の生徒が寝食を共にする、特別な交流環境(全寮制など)の維持に必要なため。
  • 外国人教員の確保:実社会の課題解決を目指す「国際協働型プロジェクト学習」などを推進するために必要なため。

4. 今後の各学校への予算方針

  • 役割に応じた予算確保:叡智学園に限らず、各県立学校がそれぞれの役割(特色)に応じて効果的な活動ができるよう、必要な予算の確保と、効率的な学校運営に努めていく。

森本敦司警察本部長

1. これまでの「治安改善の成果」

  • 犯罪件数の大幅な減少:平成14年には約6万件(戦後最多)あった刑法犯認知件数が、昨年(令和5年頃)には約1万5,000件へと4分の1に減少した。
  • 体感治安の向上:県民意識調査で「治安が良い」と感じる人の割合が、平成29年の85.3%から令和5年には88.4%に上昇している。

2. 現在の「課題と犯罪情勢」

  • 警察職員の不祥事:不適切事案が発生している事実を重く受け止めている。
  • 新たな犯罪と件数増加:特殊詐欺やSNS型投資詐欺などが巧妙化しており、全体の犯罪件数は令和3年から3年連続で増加傾向にある。

3. 不祥事の「再発防止策」(信頼回復への取り組み)

  • 職務倫理の徹底:警察官としての誇りと使命感を高める倫理教育を徹底する。
  • 組織的な指導:幹部職員による面接を繰り返すなど、組織的かつ継続的な個人指導を行う。

4. 今後の目標と「日本一」の定義

現在策定中の「『減らそう犯罪』第6期ひろしまアクションプラン」に基づき、以下を目指す。

  • 犯罪の減少:現在増加している犯罪件数を再び減少傾向に戻す。
  • 体感治安「90%以上」の達成:治安が良いと感じる県民の割合を、全国トップクラスの90%以上に引き上げる。これらを通じて「日本一安全・安心な広島県」を実現する。
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