2005年(平成17年)2月 予算特別委員会

目次

福利厚生制度の状況について

現状と問題の背景

  • 大阪市職員の厚遇報道を契機に、広島市や福山市における職員互助会への多額の補助金(掛金の3倍前後)も問題視されている。
  • 大阪市で発覚した厚遇事例6点
    1. 団体生命保険掛金の全額公費負担
    2. 職場レクへの1人1万円助成
    3. 互助組合への掛金の2〜3倍(42億円)の助成
    4. 最高400万円の退職一時金・年金支給
    5. 健康保険組合保険料の超過負担
    6. 任意団体への高額な公費助成

総務企画部長への質問

  • 本県において、大阪市のような福利厚生の厚遇実態はあるか?
  • 特に、平成17年度の互助会への補助金状況はどうなっているか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 平成17年度の互助会への補助金(掛金1に対する比率)は、知事部局で0.19、教育委員会で0.22、警察本部で0.25となっている。
  • その他の5項目については、本県には大阪市のような厚遇事例は存在しない。

県の義務として行う厚生事業のあり方について

現状と問題の背景

  • 地方公務員法第42条では、地方公共団体に対し、職員の健康管理や福利厚生の計画・実施を義務づけている。

総務企画部長への質問

  • 県の義務として行う厚生事業の範囲や、本来あるべき適正な姿をどう考えているか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 職員が元気で安心して職務に取り組み、公務能率を向上させる目的で実施している。
  • 県民の理解が得られるよう、他県や民間企業の水準、県の財政状況を考慮し、適正な内容とするよう努めている。

組合交渉経過の公表について

現状と問題の背景

  • 大阪市では問題発覚後、給与見直し等に係る職員組合との交渉経過や労使協議の内容をホームページで詳細に公開している。
  • 本県も先月から公表し始めたが、交渉「結果」が中心であり、やり取り(経過)の公開としては不十分である。
  • 予算編成プロセスの公開まで行った本県なら、交渉経過の公開も踏み込んで行えるはずである。

知事への質問

  • 組合交渉の経過や、公開に向けた労使協議のプロセスをホームページで詳細に公表すべきでは?

当局答弁(知事)

  • 先月からホームページに交渉結果だけでなく、県・組合双方の主な主張を「経過の概要」として掲載し始めた。
  • より分かりやすい情報提供を行うため、公表方法にさらにどのような工夫ができるか検討していく。

教職員給与制度の見直し検討状況について

現状と問題の背景

  • 日本の公務員は人口比・人件費比ともに低いが、年功序列や技能労務職の高さから給与への批判が強い。
  • 法改正により、平成16年4月から公立学校教職員の給与における「国準拠規定」が廃止され、各県が独自に定められるようになった。
  • 教育職は全職員数の57.8%と過半数を占めており、教職員給与の見直しは財政への影響が非常に大きい。

人事委員会事務局長への質問

  • 他県の状況も含め、教職員の給与制度見直しの検討状況はどうなっているか?

当局答弁(人事委員会事務局長)

  • 国の優遇措置(人材確保法)の規定は維持された中での、独自給料表の作成に向けて技術的検討を重ねている。
  • へき地手当などの諸手当については、勧告の中で見直しの必要性を報告した。
  • 公務員全体の給与構造改革を踏まえつつ、教員の職務・責任の特殊性を考慮した適切な給与制度の構築を目指す。

教職員の給与制度改革のあり方について

現状と問題の背景

  • 現在の教職員の給料表は「4級制」と簡素で、同一級に長期間在職するため、能力や仕事の困難度と給与が噛み合っていない。
  • 国では教育公務員に対しても能力等級制の導入が検討されている。

人事委員会事務局長への質問

  • 本県においても、職責や能力、業績が反映される給料表への改革が必要と考えるが見解はどうか?

当局答弁(人事委員会事務局長)

  • 人事院で検討されている昇給カーブのフラット化や、実績評価に基づいた昇給制度の導入などの動きを注視している。
  • 本県の実態を踏まえ、職務・職責や能力・実績を適切に反映する給与制度のあり方を研究していく。

公務員給与の抜本的改革について

現状と問題の背景

  • 骨太の方針2004において、地域における官民格差を踏まえた公務員給与の見直しが掲げられた。
  • 人事院の地域別データでは、北海道や東北は公務員給与が民間より約4.8%高く、東京は逆に約3.7%低いなど格差が大きい。
  • 国は全国一律の俸給表を引き下げ、民間水準の高い地域に「地域手当」を上乗せする仕組みを平成18年度から導入する方向である。

人事委員会事務局長への質問

  • 国の動向を踏まえ、本県職員の給与水準も地域の民間格差を考慮して大幅に見直すべきでは?

当局答弁(人事委員会事務局長)

  • 公務員給与は民間準拠が基本であるため、地域給が導入されてもその基本は変わらない。
  • 今後の人事院の検討状況を見極めつつ、県内の民間給与実態調査に基づいて給料表の水準や地域手当の設計を適切に判断する。

人事院の地域別公民較差率との整合について

現状と問題の背景

  • 人事院のデータでは「中四国の民間給与は公務員より2.34%低い」とされる一方、各県人事委員会の算定では「較差はほとんどない」とされており、齟齬がある。
  • このため、経済財政諮問会議の民間委員から「人事委員会の算定が実態を正確に反映しているか検討すべき」との指摘を受けている。

人事委員会事務局長への質問

  • この指摘に対し、本県の人事委員会はどう考えるか?

当局答弁(人事委員会事務局長)

  • 人事院の較差は「中四国全体の民間」と「国家公務員」の比較である。
  • 一方、本県の算定(前年マイナス0.02%)は「県内の民間」と「県職員」の直接的なラスパイレス比較であり、本県の実態を正確に反映しているため、指摘には当たらない。

今後増大する退職手当への対応について

現状と問題の背景

  • 第一次ベビーブーマーが定年を迎える平成19年度以降、大量の退職者の増加が見込まれる。
  • 現在は毎年500人程度だが、平成19〜21年度は1,000人、平成24年度以降は現在の2.8倍の1,400人程度に急増する見込み。
  • これまで退職手当の積立を行っておらず、財政難の中で資金確保が困難である。

総務企画部長への質問

  • この退職手当急増に対し、どのように財源を確保し対応するのか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 大量の退職手当への対応は財政運営上の大きな課題である。
  • 財源確保のため、一部の自治体で導入されている「退職手当債」の活用などを検討していく。

県職員の専門性の担保と政策形成能力の向上について

現状と問題の背景

  • 地方分権下では、現場で県民の声を聴き、自律的に改善策を考える政策形成能力が必要。
  • 建設技術センター等の外郭団体が「専門性を磨く実地研修」や「現場情報を政策へ吸い上げる役割」を果たせていない。
  • 外部委託を過度に進めると、職員の専門性が失われ、委託業務の適切なチェックや企画立案すらできなくなる。

総務企画部長への質問

  • 現場感覚や専門性を失わず、職員の専門性の担保と政策形成能力を向上させるためにどう取り組むのか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 専門性や能力向上のためには現場部門での業務経験が極めて重要である。
  • 本庁と地方機関の人事交流や他団体への派遣を通じ、実務経験に基づく専門性・現場感覚を持つ職員の育成に引き続き努める。

室のあり方について

現状と問題の背景

  • 平成13年度のフラット化組織の導入に伴い、組織が細分化され「小室制」となった。
  • これにより仕事の分業化が進みすぎ、職員が特定の狭い範囲の業務にしか関与できず、幅広い知識や柔軟な思考を身につける機会を失っている。

総務企画部長への質問

  • 小室制による組織細分化の弊害についてどう考えているか? 組織を見直すつもりはあるか?

当局答弁(総務企画部長)

  • フラット化により迅速な決定や専門性向上などの成果があった一方、横の連携の希薄化やチェック機能、人材育成の面で課題があると認識している。
  • 来年度の総合計画策定に合わせ、室の業務範囲や規模など、本庁組織の見直しを検討していく。

指定管理者制度導入検討のあり方について

現状と問題の背景

  • 4月から指定管理者制度が導入されるが、目先のコスト削減を理由に何でも民間に任せることは安全性や福祉向上の観点から懸念がある。
  • 特に広島県福祉事業団(職員425人)が管理業務を失えば職員の雇用問題が生じるが、公務員と違い配置転換ができない。
  • 鳥取県では公募ではなく、外郭団体に施設や土地を無償譲渡・移管して直接経営させ、効率化とサービス向上を図る手法を取っている。

総務企画部長への質問

  • 公募ありき、目先のコスト削減ありきではなく、事業団の雇用問題等を含めた全体的な見直しを検討すべきでは?

当局答弁(総務企画部長)

  • 制度の目的はサービスの低コストかつ効果的・安定的な提供であり、公募による選定が基本である。
  • 福祉事業団を含む14施設については、施設の性質や今後の運営方針を踏まえ、公募が適当か否かも含めて個別に検討している。

職員の能力向上について

現状と問題の背景

  • コスト削減のためには、職員の能力(技術・企画・判断・調整・決断力)を高め、生産性を上げることが不可欠。
  • 平成13年に導入された「フラット化(総戦力化)」は、5年間運用したが結果として職員の能力低下などの弊害を生んでいる。

知事への質問

  • 技術や企画力などを失わず、職員の能力を高めていくためにどう取り組むのか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 「組織の総合力と生産性を高める人づくり」を新たな総合計画に掲げ、職員の意識改革や能力向上に取り組む。
  • 政策形成・業務遂行能力の研修拡充のほか、実績反映型の給与制度導入、プロジェクトメンバーの庁内公募などで職員の意欲を引き出していく。

知事の政治資金規正法違反事件について

現状と問題の背景

  • 個人後援会等の政治資金規正法違反について裁判が開始されたが、知事の説明責任の果たし方は極めて不十分である。
  • 検察の冒頭陳述で、多額の資金が県内の議員に渡ったとされる疑惑があり、県民や議会への説明が求められる。
  • この件の質疑により多くの議会時間が費やされ、予算案の深い審議の時間が削られた。
  • 新聞報道で政党支部の解散が報じられたが、「なぜ今まで放置していたのか」という住民感情がある。

当局への質問

  • 裁判のどの段階になれば真のコメントが出せるのか? 新年度スタートにあたり、踏み込んだ説明を行う意思はあるか?
  • 議会審議が停滞したことへの執行部としての責任をどう認識し、どう取るつもりか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 政治不信を招いたことを重く受け止め、元事務局長との面談による事実関係の聴取など、解明に向け粘り強く取り組んでいる。
  • 公判中につき制約はあるが、引き続き事実解明に向け努力する。新年度に向けて信頼回復に最大限の努力をしていく。
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