2004年(平成16年)2月 予算特別委員会

目次

行政改革の優先的実施について

現状と問題の背景

  • 財務省が平成17年度以降も地方交付税の削減(7兆円圧縮目標)を続ける方針を固め、本県予算への影響が大きい。
  • 県は財政難を理由に事業や施策(政策)の縮小を進めているが、本来は政策縮小の前に徹底的な行政改革を行うべきである。
  • 政策を縮小して財政を再建するのは最も簡単な方法であり、行革を後回しにするのは本末転倒である。

総務企画部長への質問

  • 行政改革と政策の見直しを一緒に行うのではなく、行政改革をまず優先して行うべきでは?

当局答弁(総務企画部長)

  • 市町村合併後の役割見直しや現在の財政危機への対応のため、分権改革や財政健全化と一体で取り組んでいる。
  • ただし、行政改革の本旨は財政状況に関わらず効果的・効率的な運営を徹底することであるため、徹底的な行革に全力を挙げる。

フラット化以降の一職一級制度について

現状と問題の背景

  • ポストと給与を連動させ、特定の役職に就かないと昇給できない「一職一級制度」が平成12年度に導入された。
  • しかし、平成13年度の「フラット化」実施以降、ポストに就かなくても8級に昇格できるようになり、7級のまま退職する人がいないなど制度が実質崩壊している。

総務企画部長への質問

  • 職務の困難性や責任に応じた給与体系である「一職一級制度」が形骸化している点についてどう考えるか?

当局答弁(総務企画部長)

  • フラット化によりラインポストを廃止し、主査や主任主査等のスタッフ職を設置した下で一職一級を運用している。
  • 8級職には室長などのほか、それと同等の困難な業務を処理するスタッフ職を配置している。
  • 今後は、8級職員の割合を全国平均の14%台に近づけることを目標に、厳正な任用に努める。

地方機関における係長任用について

現状と問題の背景

  • フラット化が導入されていない地方機関において、同じ係長業務をしているにもかかわらず、専任主査や課長補佐を兼務することで6級ではなく7級や8級の給与を得ている職員がいる。

総務企画部長への質問

  • これでは一職一級制度の導入前と何も変わらないのではないか? どのような基準で任用しているのか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 専門的で困難な業務を処理する職として「専任主査」を置き、経験や能力を活用している。
  • 地方機関ではその能力を活かすため限定的に専任主査に任用し、係長を兼務させているケースがある。今後も一職一級の趣旨に沿って厳正に任用する。

8級職員の給与カットについて

現状と問題の背景

  • 同じ8級職員でも、管理職は5%カット、非管理職は3%カットと、給与抑制措置(カット率)に差が設けられている。
  • 一職一級制度が厳格に運用されていれば、同じ級の間でこのような差が生じる必要はないはずである。

総務企画部長への質問

  • なぜ同じ8級職員であるのに、管理職と非管理職で給与カット率に差を設けるのか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 今回の給与抑制措置では、それぞれの職責の重さに応じて減額率に差を設けた。
  • 部下を管理監督する室長等(管理職手当の支給者)と、調整監等(非支給者)の役割の違いによるものである。

延伸措置の復元や現業業務見直しと人件費の抑制について

現状と問題の背景

  • 人件費抑制のため平成11年度から実施されていた「昇給の12ヶ月延伸措置」が、財政事情が厳しいにもかかわらず1月に復元(廃止)された。
  • 新年度から予定される現業業務の民間委託に伴い、職員の職種が変わることで、結果的に職員の給与が増える(人件費が増す)ことになる。

総務企画部長への質問

  • 延伸措置の復元や現業見直しに伴う職員の給与増は、人件費抑制という基本方針に逆行していないか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 昇給延伸措置を復元した上で「給与減額措置(カット)」に切り替える形で人件費抑制を行っている。
  • 現業業務の民間委託は民間ノウハウによる効率化が目的であり、将来的にはコスト削減に繋がるよう適切に対処する。

地域事務所の組合交渉のあり方について

現状と問題の背景

  • 地方機関が「地域事務所」に再編された際、組合交渉は新たに設置された「総務局」に一元化する方針であった。
  • しかし実際には、総務局だけでなく各事業局でも交渉が行われており、交渉窓口が増えて管理職が組合対応に追われる状態が変わっていない。

総務企画部長への質問

  • 地域事務所における組合交渉の現状をどう是正していくのか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 勤務時間や執務環境など共通事項は総務局で交渉し、個別の職場実態については各事業局で協議しているのが現状である。
  • 今後は地域事務所の状況把握に努め、必要な改善を進めていく。

組合交渉内容の公開について

現状と問題の背景

  • 組合交渉や協議に多くの職員と時間が費やされているが、その具体的な交渉経過や内容は公表されていない。
  • 職員へは組合側のチラシでしか情報が伝わらず、正確な中身が伝わっていない。

総務企画部長への質問

  • 公平性の観点から、組合交渉の経過や内容を県民・職員へきちんと公開すべきでは?

当局答弁(総務企画部長)

  • 交渉結果については、所属の管理職を通じて職員へ情報提供している。
  • 交渉状況を県民へ広く公開することについては、情報公開の流れを踏まえ、早急にあり方の検討に着手する。

県出資法人の見直しについて

現状と問題の背景

  • 産業振興公社や農業開発公社は、類似法人と統合されただけで、旧態依然とした業務内容自体は変わっていない。
  • 建設技術センターや教育事業団などでも、業務見直しや組織再編の取り組みが進んでいない。

総務企画部長への質問

  • 地方分権や市町村合併で県の役割が変わる中、出資法人の抜本的な見直しにどう対応するのか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 今後は法人の役割や業務そのものの見直しが必要である。
  • 平成16年度中に策定する「出資法人見直し計画」において、必要性の低い法人の統廃合や事業の縮小・廃止、内部組織の整理など抜本改革を進める。

民間委託について

現状と問題の背景

  • 構造改革として「官から民へ」の民間委託が進められているが、民間が利益を上げられるということは、行政自ら行うよりも非効率なシステムが行政内にあることを意味する。

総務企画部長への質問

  • 民間委託を進めるだけでなく、行政内部の非効率なシステム自体を根本から改革すべきでは?

当局答弁

  • 民間委託の推進は継続するが、委託することだけが改革の目的ではない。
  • 行政が担うべき業務について、より効果的・効率的なシステムを確立するため、行政全般にわたる見直しを徹底する。

指定管理者制度及び独立行政法人制度の導入について

現状と問題の背景

  • 指定管理者制度や地方独立行政法人制度を導入すればサービス向上や効率化ができると言われている。
  • しかし、こうした新制度を導入しなくても、コスト意識や目標管理などの民間手法は今すぐ行政内で実施可能である。

総務企画部長への質問

  • 制度導入を待つことなく、すぐにできる経営手法の導入を進めるべきではないか?

当局答弁(総務企画部長)

  • 目標管理やコスト意識、サービス重視の業務執行は重要である。
  • 制度導入を待つまでもなく、すべての行政分野においてこれらの手法を積極的に取り入れ、効果的な運営に活かしていく。

行政内部 の非効率性の改善について

現状と問題の背景

  • 民間になじまない事業を独立行政法人や指定管理者に任せると、県の関与や議会のチェックが届きにくくなる。
  • 採算重視により公平公正な事業執行が妨げられる懸念がある。
  • 行政内部の怠慢による非効率性を棚上げし、安易に民間に委ねる姿勢は正すべきである。

知事への質問

  • 一職一級の厳格化、組合対応の指針是正、出資法人の見直しなど、職員の意識改革を含めどう対応するのか?

当局答弁(知事)

  • 行政改革の主眼は、これまでの体質や仕組みを根本から見直すことである。
  • 改革には職員の意識改革が不可欠であり、知事自身が先頭に立って行革の理念を示し、全力で取り組む。

公共事業の総額の削減への評価と本県の社会資本整備の水準について

現状と問題の背景

  • 公共事業費は、GDP比の高さや無駄の多さなどの批判から、補正含め平成10年度の17.4兆円から平成16年度には約9兆円と半減された。
  • 国は整備水準が十分に達したと判断しているようだが、地方の実態は異なる。

土木建築部長への質問

  • 国の公共事業費削減をどう評価しているか? また、本県のインフラ整備水準をどう認識しているか?

当局答弁(土木建築部長)

  • 国の削減は、厳しい財政の中で経済体質を改善するための構造改革の一環と認識している。
  • 本県は高速道路の延長など高い水準もあるが、都市部の渋滞、低い下水道普及率、多くの土石流危険渓流などを抱え、整備水準は決して十分ではない。

今後の社会資本整備の方向について

現状と問題の背景

  • 本県の社会資本整備水準が不十分であるならば、今後も計画的な整備が必要である。

土木建築部長への質問

  • 本県における今後の社会資本整備の方向性をどう考えているか?

当局答弁(土木建築部長)

  • 策定中の「第4期実施計画」において、高速道路ICカバー率などの数値目標を示す。
  • 厳しい財政状況のもと、「選択と集中」による重点化、コスト縮減、地域の実情に応じた規格の見直しなどで、効果的な整備に努める。

公共事業の時間管理について

現状と問題の背景

  • 国は、事業箇所を絞って短期間で実施し、工期を短縮して整備効果を早く出す「時間管理」の考え方を導入している。
  • 工期短縮によるコスト削減で浮いた事業費を他の箇所に回すことができる。

土木建築部長への質問

  • この「時間管理」の考え方を、本県の公共事業にも導入すべきでは?

当局答弁(土木建築部長)

  • 予算削減の中でも早期供用箇所を優先し、新規箇所を抑えるなど、時間の概念を考慮した重点化を行っている。
  • 工事コストの縮減だけでなく、事業便益の早期発現や維持管理費縮減を含めた「総合コスト」の縮減に取り組んでいく。

国の公共投資の重点化について

現状と問題の背景

  • 国の平成16年度予算では、大都市圏の空港や港湾、環状道路に予算が手厚く配分される一方、地方の予算は大幅削減され、地方格差が広がる懸念がある。
  • 地方財政計画の投資的経費(単独事業費)も国以上の削減率(マイナス9.5%)となっており、地方切り捨てと言わざるを得ない。

知事への質問

  • この国の重点化方針(地方切り捨て)をどう受け止め、どう対応するのか?

当局答弁(知事)

  • 国の方針は「地方切り捨て」と言っても過言ではなく、税財源移譲がないまま補助金等が削られるのは極めて遺憾。
  • 産業を支えるインフラ整備は、投資効果やコスト縮減を考慮しながら計画的に進める。
  • 国に対し、税財源の移譲や公共投資の均衡ある配分を強く求めていく。

本県独自の公共事業の推進について

現状と問題の背景

  • 本県では単独公共事業を5年間で半減させ、さらに3年間で20%削減する方針を打ち出している。
  • しかし、まだ整備すべきインフラのニーズは多数存在している。

知事への質問

  • 国の姿勢が厳しくなる中、本県独自の公共事業をどのように効果的に推進していくのか?

当局答弁(知事)

  • 厳しい財政状況から、公共事業全体を縮減せざるを得ない状況にある。
  • 今後は投資効果を考慮した箇所の選定、新たなコスト縮減、ローカルルールの導入に積極的に取り組み、効果的な事業推進に努める。
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