目次
県出資法人の見直しについて
現状と問題の背景
- 平成11年2月に「見直し計画」が策定されたが、これまでに十分な実績や成果が上がっていない。
- 広島県産業振興公社や農業開発公社は類似法人と統合されただけで、旧態依然とした業務は廃止されず温存され、「第二県庁」と化している。
- 建設技術センターによる新規業務の企画や、福祉事業団・教育事業団における施設の地元移管や民間委託がほとんど進んでいない。
- 60余りある出資法人の改革について、わずかな職員削減で済ませており、当初の目的から逸脱している。
当局への質問
- 県出資法人のこれまでの見直し実績をどう認識し、今後どのように抜本改革を進めるのか?
当局答弁(知事)
- これまで12法人の統廃合や、県派遣職員の約3割(84名)を削減するなど見直しを着実に進めてきた。
- 建設技術センターで設計・施工・監理の一括受注を試験開始、福祉事業団で特養ホームの地元移管などを進めてきた。
- 改革が途半ばであることも事実なため、来年度の「行政システム改革推進計画」において、指定管理者制度の導入なども踏まえ、さらなる見直しを進める。
本庁組織のフラット化について
現状と問題の背景
- 平成13年4月から「迅速な意思決定」「職員の総戦力化」「情勢対応の迅速化」を目的にフラット化が実施された。
- しかし、組織を細分化したため縦割りの弊害(案件のたらい回し)が生じ、総室長への事前報告が「伺い・相談」に変わったことで、室長がかつての課長補佐のようになり、決定が迅速化していない。
- 係長に代わって置かれた「グループリーダー」の権限が曖昧で、職場の規律の乱れや意欲低下を招いている。
当局への質問
- フラット化は当初の目的をどの程度達成したのか? また、残された課題についてどう考えているのか?
当局答弁(総務企画部長)
- 「意思決定の迅速化」や「職員の総戦力化」という目的において、一定の成果は上がっていると認識している。
- 一方で、組織細分化による縦割りの弊害、分かりにくい室名称、職員の意識改革の必要性などの課題が残っている。
- 必要に応じた室の統合や名称変更を行うとともに、研修等を通じて意識改革を進め、効果的に機能するよう努める。
一職一級制度における8級運用について
現状と問題の背景
- 「誰でも8級」問題を是正するため、平成12年度から一職一級制度が導入された。
- しかし、平成15年4月時点で、行政職員全体の2割以上(1,528人)が本庁室長クラスに相当する「8級以上」であり、民間では見られない異常な比率になっている。
- 管理職でない「調整監」「専任主査」などの8級ポストが増えており、制度の趣旨を損なう逸脱した運用がなされている。
- 今回の給与カットで、管理職の8級が5%カットなのに対し、非管理職の8級が3%カットと差があるのは、今の運用の矛盾を示している。
- 7級職員の年齢分布が50代前半から急減しており、実際には年齢とともに「誰でも8級」へ上がっている。
- 地域事務所の「総務局」に8級のポストを作ったが、実質的な組合対応は各事業局が行っており、総務局には仕事がない。
当局への質問
- 「誰でも8級」になれる仕組みが形を変えて生き残っている問題について、なぜ是正できないのか?
当局答弁(総務企画部長)
- 一職一級制度の導入により、一般行政職に占める8級の割合は平成11年度の18%から平成15年度は16%に低下した。
- しかし、国や他県に比べて依然高い水準にあるため、今後はより厳正な任用を行い、当面は8級在職者数を全国平均の14%程度に抑えるよう努力する。
昇給延伸の復元と給与のカットについて
現状と問題の背景
- 問いの前提(背景・根拠)
- 平成11年度、自民党議員団の「給与改定に関する緊急提言」により、緊急の財源対策および給与格差を設けて職員の意欲を高めるため、復元(廃止)しない前提で「12ヶ月の昇給延伸措置」が導入された。
- しかし、改革目的が未達成の段階で昇給延伸を「復元」し、代わりに上級職ほど高い割合(3〜7%)の給料カットに切り替える。
- これは延伸で設けた給与格差を逆に縮小させ、職員の意欲を阻害する。
- また、今回のカットは3年間の時限措置であり、3年後には削減がなくなり、人件費が再び増大する懸念がある。
当局への質問
- 5年前の緊急提言を覆し、格差を縮小させる「昇給延伸の復元」および「時限的な給料カット」へ切り替えた理由は何か?
当局答弁(総務企画部長)
- 昇給延伸は、当時の厳しい財政や景気を踏まえた緊急・臨時的な財源対策として実施したもの。
- 5年経過し、若手・中堅に重い負担がかかるなど職員間の不均衡が生じ、人事委員会からも速やかな復元を要請されていた。
- 今回の健全化方策を進める中で、この不均衡を解消するため、延伸を復元した上で新たな削減措置(カット)に切り替える判断をした。
県職員の活性化について
現状と問題の背景
- 職員のやる気を引き出すには、役職に応じた格差のある給与体系と、努力が正当に評価されて任用へ繋がる厳格な人事システムが必要。
- 現在停止されている「特別昇給制度」の早期復活や、職員提案制度の構築、県・市町村の垣根を越えた人事異動などが求められる。
- 本格的な幹部養成コースの設置や、若手の海外派遣など、思い切った人材育成が不可欠である。
当局への質問
- 職員のやる気や活力を維持・向上させるため、こうした人事評価や人材育成の改革をどう進めるのか?
当局答弁(知事)
- 職員の意欲・能力を引き出し組織の生産性を高めるため、平成14年に「広島県人材育成基本方針」を策定し推進している。
- 具体的には研修の充実や、海外派遣研修の導入を進めている。
- また、能力や実績を重視した人事評価制度の充実を図る中で、評価を任用にも繋げる仕組みを検討していく。
今後の財政運営について
現状と問題の背景
- 知事は財政危機の原因を「マイナス成長による県税の大幅減と地方交付税の不増」とし、対応を「3年間の集中対策における歳出削減」としている。
- しかし、平成12年度から取り組んできた現行の中期財政運営方針の結果が今日の財政危機であり、これまでの対応に失敗したと受け止めるべき。
- 失敗したのと同じ「全分野の歳出削減」を繰り返すだけでは「ジリ貧」に陥る。
知事への質問
- 過去の失敗の反省を踏まえ、本県の活力を取り戻し税収を回復させるための「積極的な施策展開」を決断すべきでは?
当局答弁(知事)
- 県税の大幅減等により、このまま行革を実施しなければ平成17年度に予算編成が不可能になる状況であり、重く受け止めている。
- 今後3年間で抜本的な歳出削減を行い、持続可能な財政基盤を構築する。
- その一方、新規成長産業の育成や企業支援など、本県の活力を生み出す産業施策(重点5分野)には「選択と集中」により集中的に取り組み、県内経済の活性化に努める。
人事委員会の勧告及び人事委員会の責務について
現状と問題の背景
- 人事委員会が、昇給延伸が若手・中堅に重い負担を強いるとして「復元」を求めたことは、職責格差をつけるという延伸の意義と矛盾している。
- 「誰でも8級」問題(非管理職の8級職)の存続について、人事委員会が是正を強く勧告しないのは不自然である。
- 退職時に退職金の基礎給料を2号給引き上げる「退職時特別昇給」や、採用時の「初任給短縮措置」などの民間とかけ離れた慣行について、なぜ廃止勧告をしないのか。
人事委員会事務局長への質問
- 人事委員会は必要な是正勧告を行わず、不必要な勧告(延伸の復元)を行っているのではないか? 公正・中立な責務をどう認識しているのか?
当局答弁(人事委員会事務局長)
- 人事委員会は労働基本権制約の代償機関であり、県職員と民間の給与均衡(職位・職責に対応する仕組み)を図る責務を持つ。
- 昇給延伸は、給与が職責に応じたものとならない制度上の問題が生じたため、復元を要請した。
- 8級の人員分布については問題意識を持っており、任命権者の改善努力に対し今後も指導・助言に努める。
- 退職時特別昇給は国からの是正通知が出ているため言及しなかった。初任給短縮措置は平成12年度から休止しているが、今後の状況変化を踏まえ検討する。
