目次
県の危機管理体制について
現状と問題の背景
- 今回の送水事故をきっかけに、県の危機管理能力の弱さが浮き彫りになった。
- 平成14年に「危機管理総室」を設置したが、縦割り行政により有効に機能していない。
- 職員の危機管理意識が薄く、有事に関係部署を束ねて迅速な情報収集や的確な指示を行うリーダーシップ(強い権限)が欠けている。
- 台風第13号などの大規模自然災害も続発しており、危機管理体制のさらなる強化が必要である。
当局への質問
- 水道送水事故の総括を踏まえ、県としての危機管理の認識と、体制面の強化についてどう考えているのか?
当局答弁(知事)
- 水源情報の共有や、災害発生後の県市間での迅速な情報伝達が不十分だった点が課題として判明した。
- 今後はインフラ情報のデータベース化、マニュアルの充実、想定訓練を通じた職員の意識向上を図る。
- 庁内の指揮命令系統の強化や要員の充実、他機関との連携を検討し、危機管理体制を強化する。
今後の社会資本の更新整備のあり方について
現状と問題の背景
- 予算制約下で、施設の長寿命化とトータルコストの最小化を図る「アセットマネジメント」の導入が必要。
- インフラの劣化を点検・評価し適切に判断するには、現場に裏打ちされた技術力と長年の経験が不可欠である。
- 県では多くの業務を民間に丸投げし、職員の技術力低下が進んでいる。
- 民間(建設業界)も公共事業削減で疲弊しており、地域全体の技術力の喪失が懸念される。
当局への質問
- 技術力の低下が危惧される中、どのように適切なインフラ維持管理を進めるのか?
- 県におけるアセットマネジメント導入の進捗状況は?
当局答弁(土木部長)
- 若手技術職員に対し、入庁後10年間で現場研修を含む土木全般の研修を行い、技術習得機会の確保に努めている。
- 橋梁やトンネル、護岸などの重要施設を対象に、平成21年度からのアセットマネジメント実施を目指し、点検・修繕方法の体系化を進めている。
- 導入後は点検結果や補修履歴の分析により適切なタイミングで補修を行い、技術の蓄積・向上を図る。
条件不利地域の指定による振興策について
現状と問題の背景
- 豊島大橋などの架橋整備により本土と連絡すると、「離島振興法」の指定から外れることとなる。
- 実態は「半島」となるが、「半島振興法」の適用には人口基準(概ね10万人以上)があり、安芸灘諸島(2万人未満)では大きく届かない。
- 瀬戸内海の振興や大規模地震(津波)対策の観点から、引き続きの支援策として半島振興法の適用が望まれる。
当局への質問
- 安芸灘諸島の半島振興法の地域指定についてどう考えているのか?基準緩和の国への働きかけや、指定されない場合の県独自の振興策はあるか?
当局答弁(地域振興部長)
- 現行制度下では半島指定は難しいが、呉市や関係団体と協議しつつ、指定要件の緩和について国への要望を検討する。
- 半島地域に指定されなくても、呉市の「合併建設計画」にある漁港や街並みの整備事業について、呉市と連携し推進を支援する。
観光によるまちづくりについて
現状と問題の背景
- 国は観光基本法を「観光立国推進基本法」に改正し、観光を国家戦略と位置づけて振興を強化しようとしている。
- 観光は経済波及効果が大きく、一次産業が低迷する山間・島嶼部(条件不利地域)の活性化に期待される。
- しかし、こうした地域はアクセス難や情報不足により、魅力的な観光資源を活かしきれていない。
- 合併後の市町周辺部(取り残されやすい地域)の格差是正や活性化は、県の役割である。
当局への質問
- 国の法改正に合わせ、財政支援などの要望も含めて、観光によるまちづくりにどう取り組むのか?
当局答弁(商工労働部長)
- これまで大型観光キャンペーンや、地域おこしと連携した滞在型観光、冬の味覚キャンペーンなどに取り組んできた。
- 国の法改正の動向を注視し、市町や関係団体と連携して観光資源の掘り起こし、魅力向上、情報発信を進める。
- 国への働きかけも行いながら、地域の活性化につながる観光振興に積極的に取り組む。
公と民の役割について
現状と問題の背景
- 県は事務事業総点検において、民間移行できない理由がないものは原則民営化する方針を示している。
- しかし、余剰人員の整理が進まない場合や、結局県側にも体制を残す(二重コストになる)民営化は無駄である。
- 民間委託の効果検証、業者選考、県の関与、行政責任の担保に関する議論が不十分なまま拙速に進められている懸念がある。
- 耐震偽造問題など、民間開放による安全性担保の危険性も明らかになっている。
当局への質問
- 単純業務の民間移行を進める一方で、公と民の適切な役割分担をどのように整理しているのか?
当局答弁(知事)
- 「民間でできるものは民間へ」を基本とし、サービスの質向上や効率化が期待できる分野、NPO等が活動する分野は積極的に民間開放する。
- 一方で、サービス低下や安全・危機管理上の懸念があるもの、福祉・医療など住民生活に直結する分野は、行政の責任において対応する必要性を十分に見極める。
県職員の意識改革について
現状と問題の背景
- 業務の不断の見直しを進めるには職員自身の意識改革が必要だが、労使関係(県と職員組合の関係)に疑問がある。
- 地域事務所における交渉の一元化が決まったものの、いまだに大人数を動員した「数による交渉」という旧態依然としたやり方が続いている。
- 厳しい財政状況や行革の必要性について、職員全体の理解が薄いのではないか。
当局への質問
- 県のリーダーとして職員に何を求め、どのような行動(意識改革)を期待しているのか?
当局答弁(知事)
- 日頃から職員に対し、県民視点での思考、先見性、前例にとらわれない挑戦、公務員の志とコスト意識の両立を求めている。
- 第二次行政システム改革推進計画などを通じ、職員の意識改革と能力向上を推進している。
- 厳しい財政状況と「全体の奉仕者」という公務員の原点を再認識し、適切な労使関係のもと、全職員一丸で変革に取り組んでほしい。
公営企業金融公庫の廃止問題について
現状と問題の背景
- 公営企業金融公庫は、地方公営企業(上下水道や病院など)へ長期・低利の資金を供給し、地方の負担軽減に貢献してきた(貸付残高は県内市町で約7,400億円)。
- 行政改革推進法により平成20年度に廃止されることが決まり、地方主体の仕組みへ移行する。
- 廃止後に同等の機能を維持できるか懸念されるが、各市町の危機意識は薄い。
- 金融市場からの資金調達という専門的・高度な分野において、県が市町をリードし導く役割が求められる。
当局への質問
- 公庫廃止について県はどう認識し、市町への支援や新仕組みづくりにどう取り組むのか?
当局答弁(知事)
- 公庫は公営企業を抱える市町にとって極めて重要な役割を果たしてきた。
- 各市町は資金調達に支障が生じる危機意識から、機能存続の要望活動を行ってきた。
- 県は全国知事会の「公庫廃止後の新たな仕組みを検討する小委員会」のメンバーとして、市町の声を反映させるべく検討に参加している。
東広島呉道路の延伸について
現状と問題の背景
- 国際物流の競争激化に伴い、水深の深い中枢的港湾の整備が必要。
- 広島港は大柿・倉橋地区が水深・土地コスト面で有利だが、高速道路や空港への道路アクセスが最大の課題。
- 東広島呉道路を延伸し、整備中の第二音戸大橋に接続すれば、江能倉橋地区(島民5万人)と高速・空港が直結し、物流や観光(広域交流)に大きな効果がある。
当局への質問
- 住民の悲願でもある、東広島呉道路の延伸について県の考えは?
当局答弁(土木部長)
- 東広島呉自動車道と一体となり、江能倉橋地区から高速道路・空港へアクセスする道路整備は重要と認識している。
- 現在は、(仮称)第二音戸大橋を含む「警固屋音戸バイパス」の整備に努めている。
- 東広島呉道路と第二音戸大橋を結ぶ区間の機能強化については、地域の開発動向などを見極めながら調査・検討していく。
