2007年(平成19年)9月 定例会

目次

行政改革への取組みのあり方について

現状と問題の背景

  • 10年間で約4,500人の職員を削減したにもかかわらず、厳しい財政状況が続いている。
  • 外部委託や指定管理者制度による経費節減の効果が不透明で、単に職員給与費が委託費に置き換わっただけの懸念がある。
  • 滞納債権回収や財務監査を安易に外部委託することは、職員の資質向上、危機管理能力、専門知識の低下を招く。
  • 出資法人(ひろしま産業振興機構や建設技術センターなど)の見直しが遅々として進んでいない。
  • 職員組合との実質的な交渉(協議)が頻繁に行われており、職員の意識改革が不十分である。

当局への質問

  • これまでの行政改革の成果と現状に対する認識は?
  • 行政の外部委託を進めるにあたり、どのような基本的な考え方をもっているのか?

当局答弁(知事)

  • 職員削減や給与見直しを進めてきたが、課題は残るため、不断の取組みが必要と認識している。
  • 改革の推進には、これまでの仕組みを職員自ら見直す「全職員の意識改革」が不可欠である。
  • 外部委託は「民間でできるものは民間へ」を基本とし、サービスの質向上や効率化が期待できるものを対象に、コスト検証をしつつ進める。

道路管理権限の移譲について

現状と問題の背景

  • 米国ミネソタ州の高速道路橋崩落事故など、老朽化したインフラの安全対策の遅れが問題視されている。
  • 国土交通省の調査では、国・県管理の橋は点検されているが、市町村管理の約9割は予算・人員不足で定期点検ができていない。
  • このような状況下で、県道の維持管理権限を(政令市以外の)市へ移譲する予定となっている。
  • 予算や技術職員が不足している市町の実態を踏まえない拙速な移譲は、住民を危険にさらす恐れがある。

当局への質問

  • 権限を移譲する市町における、道路や橋の維持管理の実態をどう認識しているのか?
  • 移譲後、県はどのような役割・技術支援・財政措置を考えているのか?

当局答弁(土木部長)

  • 広島・福山・東広島の3市を除き、他の20市町では橋の点検が実施されていないのが現状である。
  • 点検実施に向け、未実施市町に対して資料提供や研修会の開催などの技術支援を行っている。
  • 移譲にあたっては管理方針や体制を十分確認した上で行い、財源には移譲路線に相当する地方交付税等を充てる。
  • 移譲後も現場研修会などの技術的支援や定期的な連絡調整を続けていく。

3. 条件不利地域の振興対策について

現状と問題の背景

  • 「田舎(条件不利地域)」は、食料供給や水源涵養、温暖化防止など、国全体にとって重要な役割を果たしている。
  • 一方で、一極集中政策や地理的制約により人口減少が進み、生活基盤整備をしても集落崩壊が危惧される状況にある。
  • 近年の国は効率を重視し、地方切り捨てのような姿勢が強まっている。
  • 国に対し、単に現行法の延長を求めるだけでは理解を得られないため、過疎法の成果を総括し、目指すべき意義を地方自ら発信しなければならない。

当局への質問

  • 新たな過疎法(新法)の制定に向けて、広島県独自でどのような取組みを行うのか?

当局答弁(知事)

  • 過去3次の特措法により一定の成果はあったが、少子高齢化、医師不足、地域産業衰退など環境は依然として厳しい。
  • 引き続き総合的な対策が必要であるため、全庁横断的なプロジェクトチームを立ち上げ、現状と課題を明らかにする。
  • そこで得た成果をもとに、国に対して新たな新法制定に向けた積極的な働きかけを行っていく。

瀬戸内海地域の振興に向けた取組みについて

現状と問題の背景

  • 豊島や大崎下島は、本土との連絡橋が完成すると「離島振興法」の指定から外れるが、人口が少ないため「半島振興法」の指定にも移行できない。
  • 瀬戸内海の多くの島々は、若者流出や高齢化・過疎に悩んでおり、これは関係各県共通の課題である。
  • 以前に中四国の沿岸県で「瀬戸内海創生構想」を策定したが、各県が共同した確固たる対策が見えてこない。

当局への質問

  • 個々の島々の産業(農業など)の所得向上や地域振興のため、広島県がリーダーシップを執り、各県共同の推進体制を構築すべきでは?

当局答弁(知事)

  • 瀬戸内海は共通の資産だが、産業構造の転換や自然環境の保全など多くの課題が顕在化している。
  • 地域振興は「瀬戸内海の再生」を通じて図るべきであり、環境保全と多面的な利活用を両立する「沿岸域の総合管理システム」の法整備を国へ提案してきた。
  • 国が策定中の国土形成計画において、瀬戸内海の強みを活かした仕組みが位置づけられるよう、関係県と連携して国への働きかけを強めていく。

港湾埋立事業のあり方について

現状と問題の背景

  • 千代田工業・流通団地で、区画が小さすぎて売れ残った土地を「大区画(大宅盤)」へ改良するための費用が今回計上された。当初の見通しの甘さを問題視せざるを得ない。
  • 広島港宇品内港地区では、土地利用計画の安易な用途変更により、進出した近隣企業が仮処分を申し立てる事態となり、企業に負担を強いている。
  • 港湾埋立事業は完了まで長期間を要するため、当初の長期的戦略や、将来の街づくりのコンセプトが極めて重要となる。

当局への質問

  • 港湾埋立事業における、将来を見据えた戦略や街づくりのコンセプトをどのように考えているのか?

当局答弁(知事)

  • 港湾埋立は物流・産業・防災等の空間形成に不可欠であり、「みなとまちづくり」などをコンセプトに掲げている。
  • 計画にあたっては地元自治体の将来計画や企業ニーズを把握し、学識者の意見も聞いて長期的な視点から定めている。
  • ただし土地需要は景気や環境に左右されるため、長期的視点を踏まえつつ、社会経済情勢に応じて土地利用計画を適宜見直していく。
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