2009年(平成21年)2月 定例会

目次

中小企業への融資拡大について

  • 問いの前提(背景・根拠)
    • 金融行政が金融庁へ移管されて以降、金融機関は指標(点数)による一律の審査に偏っている。
    • 「緊急保証制度(保証率100%)」等の導入により、金融機関はノーリスクで金利を得ている。
    • その結果、プロパー(自社)資金は優良企業に回り、リスクのある融資はすべて保証付き制度融資に回され、本来必要な中小企業がはじき出されている。
    • 緊急対応融資枠を「107億円から220億円」へ拡大したが、借り換え済みの企業は要注意先とみなされ追加融資を受けられない実態がある。
    • 大手企業の業績悪化による借入希望も重なり、中小・零細企業の融資枠がさらに絞られている。
  • 質問の核心
    • 金融機関のこうした融資姿勢への認識は?
    • 単なる融資枠の拡大で効果があると考えているのか? 東京都のような独自融資や国への制度改正要望は行わないのか?
  • 答弁(知事)
    • 技術力や成長性など「企業の実態」を重視した融資を行うよう、金融機関や信用保証協会に要請している。
    • 地元金融機関でも緊急保証の積極活用や、経営改善指導などの支援を強化しつつある。
    • 来年度の緊急融資枠の拡大により、倒産防止や経営改善につなげていく。

県独自の公共事業の拡大について

現状と問題の背景

  • 今回の経済対策は国の交付金や融資枠拡大が主で、県独自の財政出動が少なすぎる。
  • 現在は国の新年度予算の成立見通しが立たない状況である。
  • 行政の本来の役割は、民間の投資や活力を引き出す呼び水となり、雇用と消費の循環を生むことである。

知事への質問

  • このような深刻な不況期こそ、県が借金を恐れず単独の公共事業を積極的に拡大し、地域の雇用と経済を支えるべきでは?

当局答弁(知事)

  • 財政が厳しいため、これまで財政健全化に沿って公共事業費の縮減や効率化を進めてきた。
  • 一方で雇用の維持も重要であるため、今回の緊急対策では通常の公共事業とは別に、道路補修や河川対策などを「県単独の公共事業」として追加実施する。

事業縮小の説明不足と職員の待遇について

現状と問題の背景

  • 自治総合研修センターの移転、地域事務所の統廃合、安芸津病院の縮小や民間病院への多額の無利子貸付などが、県民への十分な説明なしに進められている。
  • 「県産材住宅モデル普及事業」の補助対象が広島市と東広島市に限定されている理由も説明がない。
  • 地元の建設業が倒産する中、公共事業予算は目標額以上に削減されている。一方で、職員給与の3%カットは一部が復元され、時短導入による実質的な単価アップも行われようとしている。

知事への質問

  • 県民に必要な事業を削減する一方で、職員の待遇は守られているという県民の疑問や失望にどう答えるのか?

当局答弁(知事)

  • 事業の削減や見直しは、最少の経費で最大の効果を得るために不可欠だが、県民へのサービス水準は維持する。
  • 職員給与は民間実態(人事委員会勧告)の尊重が基本だが、厳しい財政を勘案し、長期にわたり給与抑制や人員削減などの人件費圧縮に取り組んでいる。

職員の勤務時間の短縮(時短)について

現状と問題の背景

  • 本格的なデフレに突入し、財政健全化の見通しも立たない時期である。
  • 直前の12月定例会では地域手当が引き上げられ、すでに職員給与は増額となっている。
  • この状況下で、実質的に人件費単価が3%アップすることになる「時短」を提案しようとしている。

知事への質問

  • 今回の提案は見送られたが、「環境が整い次第提案する」という「環境」とは、具体的にどのような状況を指すのか?

当局答弁(知事)

  • 勤務時間の改定は国との均衡(準拠)が求められる。
  • しかし、県内の厳しい雇用情勢を考慮し、県民の理解を得ることは困難と判断して提案を見送った。
  • 今後は緊急の雇用対策に取り組みつつ、実施の際は時間外勤務の縮減などにより行政コストに影響が出ないよう対応する。

「主幹教諭・指導教諭」の新設について

現状と問題の背景

  • 1月から教員特別手当が3.8%から3%に引き下げられ、その浮いた原資を充てるため給与総額は増えないと説明されている。
  • しかし、新設される「主幹教諭・指導教諭」は管理職としての位置づけ(法的な権限)がない。
  • これでは校長をサポートする職として機能せず、年功序列で任用されるだけの「実質的な人件費アップ(原資の食いつぶし)」になる懸念がある。

教育長への質問

  • 管理職の位置づけがない両職が、本当に学校現場で機能すると考えているのか?

当局答弁(教育長)

  • 両職は教諭より上位の立場で、校長らを補佐し、部下に対して職務命令を行える職とする。
  • 適材を配置するため、筆記試験や面接、授業観察などを通じた厳しい選考を行う。
  • 給与は教頭と一般教諭の間に設定するが、全体の教職員給与費の範囲内で対応できるため、実質的な人件費単価アップにはならない。

人事委員会(公務員の給料決定)のあり方について

現状と問題の背景

  • 県民所得や民間賃金は地域差(東京482万、広島310万など)が大きいのに、各県人事委員会の給与勧告はほぼ横並びになっている。
  • 人事院が「小規模事業所」や「ノンホワイトカラー」を調査対象外とする手法は、地域の雇用実態を反映しておらず県民が納得できない。
  • 過去に県独自の給料表作成を求めた際、「体制不足」を理由に断られた経緯がある。

人事委員会事務局長への質問

  • 中国地方5県で共同の人事委員会や監査委員といった「共同独立機関」を設置し、地域の労働実態を反映した給与決定や中立的な行政チェックを行う仕組みを議論すべきではないか?

当局答弁(人事委員会事務局長)

  • 地方公務員法に基づき各県に置かれる制度のため、現時点で中国ブロックに独立した一つの組織を立ち上げるのは困難である。
  • ただし、地域の民間給料を適切に反映させることは重要な課題である。
  • そのため、今月から中国5県による共通課題の勉強会を開始しており、今後さらに連携を強化していく。
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